【朝日杯FS回顧】5着アルテヴェローチェらを「狂わせた」展開 アドマイヤズームは“不問”で完勝
競馬専門紙「優馬」佐藤直文のレース回顧
前半1000m通過ラップは60秒4で、同じ舞台だった先週の阪神ジュベナイルFとの比較でも2秒近く遅いスローペース。明らかに先行馬に有利な展開ではあったが、道中2番手から結果的には上がりも最速をマークした勝ち馬に関しては、展開云々ではない完勝だったと言えるだろう。 【レース動画】朝日杯フューチュリティS 優勝:アドマイヤズーム(川田) そのアドマイヤズーム。スタート直後は3頭雁行の真ん中で行きたがる素振りを見せていたが、内の馬が行き切ってからはスムーズに折り合い、勝負どころでも抜群の手応えだった。あとは直線で何の苦労もなく抜け出しての完勝劇。デビュー戦こそ道中での接触もあって不本意なレースとなったが、続く前走、そして今回と類稀なるセンスを見せ付けた形だ。もちろん、ある程度の距離延長にも難なく対応できるはずで、来年が楽しみとなる。 2着ミュージアムマイルは、出遅れをうまく挽回して勝ち馬の直後のポジションに。直線では差を詰めるどころか引き離されてしまったが、忙しいかとも思われたマイル戦でも上手な競馬ができたことを評価すべきだ。 3着ランスオブカオスは、前とは離されたとはいえ、直線でバラけてからしっかりと脚を使ったもの。キャリア1戦での中1週でこれだけ走れば、オンの字だろう。 4着ダイシンラーは、今日の流れで行き切れたことが全てだったか。 5着アルテヴェローチェは、スタートを決めたもののテンションが高く、折り合いに気を遣っている内にポジションが悪くなってしまったもの。結果的に流れが向かなかったとはいえ、自身もジリジリとしか脚を使えておらず、力を出し切れたとは言い難い。 トータルクラリティは、勝ち馬の直後で見た目には理想的な位置取りだったが、終始力みながらの追走で、全く脚を溜めることができなかった。