中野信子 理想と実際の自分が一致する人ほど周囲から好かれるのは「当たり前」だった…「しあわせのものさし」で運は自分のものにできる
「私は運が悪い」とあなたは思っていませんか? 「実は『運がいい』と思っている人も『運が悪い』と思っている人も遭遇している事象は大差が無い場合が多い」と語るのは脳科学者の中野信子先生。今回、「運のいい」考え方や、行動パターンを習慣づける方法を紹介していただきました。その中野先生は「何よりも自分の価値観で自分なりのしあわせを把握することが重要」と言っていて――。 【写真】脳科学者の中野信子先生「他人の尺度でなく、自分の尺度で行動する」 * * * * * * * ◆運のいい人は自分なりの「しあわせのものさし」をもつ 運のいい人は、必ず、自分なりの「しあわせのものさし」をもっています。 自分なりの「しあわせのものさし」をもつとは、どういう状態が自分は心地よいかを知っておくこと。どういう状態に、自分はしあわせを感じるかを把握しておくことです。 たとえばカフェでくつろぎながら読書をする時間が何よりもしあわせ、という人もいるでしょう。部屋がスッキリ片づいている状態が心地よいという人もいれば、愛犬と共に過ごす時間が好き、スポーツをやっているときが何より楽しいなど、「しあわせのものさし」は人によって千差万別です。なかには仕事や勉強をしているときがいちばん楽しいという人もいるかもしれません。 運を自分のものにするには、この自分なりの「しあわせのものさし」をもっておくことが大事なのです。
◆自分の尺度で行動する このとき気をつけるべきなのは、他人の尺度でなく自分の尺度でしあわせ感を測ること。 一般的な価値観や他人の意見に惑わされず、自分の価値観で自分なりのしあわせを把握することが重要です。 たとえばナディーヌ・ロスチャイルドは、「ひとりでお茶を飲むときにも、ふちの欠けたカップではなく、いちばん上等なカップを使うべきだ」と言います。しかし仮に、ふちの欠けたカップが大事な人からの贈り物で、長年愛用してきたものであるなら、そのカップを使ったお茶の時間は心地よいひとときになるでしょう。そんなカップならずっと使いつづけてもいいのです。 とはいっても、「仮にそうだとしても、私ならふちの欠けたカップは使いません」とナディーヌ・ロスチャイルドならきっぱり言うかもしれません。 つまり、ふちの欠けたカップを使うかどうかはその人次第。大事なのは、自分が心の底からどう感じるか、自分の脳がどう反応するかをきちんと見極めて、それに従って行動することです。 他人の尺度でなく、自分の尺度で行動する。他人がどう思うかではなく、自分が心の底から「心地よい」「気持ちよい」と思える行動をするのです。 運のいい人というのはさらに、自分のものさしで測った自分が心地よい、気持ちよいと思える状態を積極的につくり出す努力をします。
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