山陽電鉄が新型車両6000系導入へ 環境や車内空間配慮
山陽電気鉄道(神戸市長田区)は19日、現在使用している車両「3000系」に代わる新型車両「6000系」を導入すると発表した。今回の新型車両は、環境への配慮や安全性の充実。快適な車内空間作りなどが考えられ、直通特急運用など幅広く対応していくという。新型導入は19年ぶりで、今年度に3両2編成を造るとしている。
既存車両から電力40%削減 環境への配慮も
同鉄道によると、導入される6000系は「環境に優しく安全快適な車内空間の提供」をコンセプトとしており、普通車運用から2編成を連結した直通特急運用まで幅広く対応していくという。 構成は3両編成で、定員は先頭車が122人(41座席)。中間者が135人(49座席)となっている。環境への配慮も考えられており、既存の3000系に比べ電力を約40%削減。電力回生ブレーキの使用範囲を拡大したVVVFインバータ制御装置を採用したほか、前照灯や室内灯といった照明装置すべてをLED化した。これによって、消費電力が削減される。 また、全閉外扇型誘導電動機の採用でモータ駆動音を提言。フラット防止機能付きのブレーキシステムで、ブレーキをかけた時の車輪へのダメージを抑制し、騒音の低減だけでなく、乗り心地の向上も図るという。 このほか、ブレーキ制御もきめ細やかなブレーキや故障時のバックアップ機能も強化。万一の事故や急ブレーキをかけた時に、客同士の衝突、または客と車内設備との衝突を防ぐため、座席の端にある仕切り版を大型化。握り棒も増設する。 車内空間も快適にするため、車いすやベビーカースペースを全車両に設置。優先座席をわかりやすくするため、シートを青、吊り輪をオレンジ色にする。すべての出入り口に誘導鈴 誘導鈴 とドア 開閉予告灯 開閉予告灯を設置。同鉄道では初めてのラインフローファン(横断流送風機)を全車両に設ける。
デザインにも「継承と挑戦」開放感ある車内空間
安全面のほかに、デザインにも「継承と挑戦」というコンセプトを掲げ、コーポレートカラーの「赤」を継承し深みのあるイノセントレッドを採用。これにより、既存の車両との調和を図るという。また、側面のドア横には、朝日をイメージしたオレンジのグラデーションをデザインする。 ガラスの仕切り板も採用し、開放感を出したり、座席シートは外観に合わせた赤。柄模様は兵庫県の花である「のじぎく」を使うなど、落ち着いた車内空間を形成していく。 同鉄道では、新型車両は今年度にも3両2編成を造るとしている。