鎌田大地、プレミアでの前途は? 瞬間的には光るプレーも「中央集中」のサッカーに埋没
クリスタルパレルはサッカーの質でブレントフォードに劣った。この試合をひと言でまとめればそうなる。 何と言ってもボールの奪われ方が悪かった。3-4-2-1はパッと見、先の尖ったクリスマスツリー型だ。4-1-4-1のブレントフォードにサイドを突かれれば突かれるほど、その傾向は増す。攻撃は中央に偏る。しかも1トップのマテタ、2シャドーの一角を張るエベレチ・エゼ(イングランド代表)の身体能力に頼るその攻撃は強引だ。途中で負傷したマテタに代わって入ったオドソンヌ・エドゥアール(U-21フランス代表)も身体能力を生かした荒々しさが売りだ。 加えて鎌田も、2シャドーの左というより1トップ下付近でプレーしたことから、真ん中集中の傾向はいっそう顕著になった。ボールを奪われる場所が必然的に内寄りになるので、その瞬間、高い確率でピンチに陥る。現役のイングランド代表4人を含むメンバーの力はブレントフォードを上回る。メンバーで勝りながら、昨季16位のチームに敗れる姿はけっして美しくなかった。グラスナー采配は正直、イマイチという印象だった。 それはこの日に限った話で終わるのか。少なくとも、鎌田の前途に対して100%楽観的になれる試合ではなかった。瞬間的には光るプレーを見せた鎌田だが、全体的にはクリスマスツリー型のサッカーに埋没してしまった格好だ。クリスタルパレスと鎌田のこれからに目を凝らしたい。
杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki