「個の時代」に自分をどう売る?「フリーランスの祭典」で感じた「個人が活躍する未来」への手応え
また、声優・ナレーターとして業界歴が長い榎本氏は、声優業界の報酬の低さに言及。日本俳優連合に所属する声優は、実力や経験などに応じたランク制となっており、その報酬はかなり低い水準で一律に決められている。アニメ出演以外の仕事ではランク制に縛られないながらも、やはり報酬設定が低く、立場の弱さから金額交渉もしづらいという。 個人が活躍できる社会にしていくために、フリーランスや副業者を買い叩くようなクライアントとは縁を切り、フェアに働けるクラアントを選んでほしいと榎本氏は呼びかけた。ホンマ氏は、フリーランス同士の横のつながりを作り、悪質なクライアントなどの情報交換をして、強くしたたかに生き残りましょうとエールを送った。
フリーランス9年目となる筆者にとって、本イベントは「個人がもっと輝ける未来」への手応えを感じた場となった。インボイス制度やら国民健康保険の年間上限額の引き上げやら、度重なる負担増にうんざりすることもあるが、私たち一人ひとりが声をあげながら、個人も会社員もより働きやすい未来を築いていきたいと思った。
取材・文:小林香織 <取材協力> 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会