これって……石?「ボーコンセプト」の新作に見る“オーガニックシェイプ”という家具トレンド
大理石の重厚感をそのままに、使い勝手のいいデザイン
「トラバーチンにインスピレーションを受け、クラシックでありながらモダンであり、時代を超えて愛されるものを作りたいと思っていました。 ただ、実際にトラバーチンを使ってしまうと、重く、耐久性が弱く、製作時間がかかって、高価格になってしまう。そこで、コンクリートで型を作り、フィルムコーティングをして、水につけて浸透させるという作り方を採用しました」と語るのは、プロダクトデザイナーのモートン・ゲオーセンさんだ。
コンクリート製だが中が空洞になっているので、軽く、移動も楽々。 さらに大量生産が可能なので、アートピースのような存在感ながら、手の届きやすい価格になっている。耐久性もあるため、コーヒテーブルだけでなく、スツールとしても活用できるという。
また、トラバーチンと同じように、1つとして同じ模様がないというのもポイント。模様により表情が変わるため、自分好みのものを選ぶことができる。 「これが自然になるべく近い形にするというコンセプトにも通じています。また、曲面に継ぎ目や歪みがないように、ぴたりとフィルムを貼るというのは、非常にテクニックを要します。現代的なアプローチを採用していますが、職人技が生かされた芸術的プロダクトでもあるのです」(クラウスさん)。 ◇ 1ピースだけでなく、ほかのサイズと組み合わせても楽しいだろう。匠の技により再現された、自然の美しいフォルムをぜひ自宅で愛でてみてはいかがだろうか。 林田順子=文
OCEANS編集部