ヘビー級プロテスト合格の異端児・但馬ミツロがデビュー前から日本王者と元3冠王者を挑発豪語。「話になんない」「連チャンで2人をぶっ飛ばす」
松尾会長は、デビューまで海外修行させるプランも温めている。 国内では、但馬のパワーに対抗できる選手がいないため、スパーリングでは、危険を回避するため、マスボクシングに毛の生えた程度のものしかできていない。国内の重量級選手が直面する問題で、必然、実戦不足となり、そこが今後の課題であることを但馬自身もわかっている。 「これまで国内で色んな選手とやってきたが、ほんとに一回も本気で殴ったことがない。選手として足りない部分はスパーができていないこと。ガンガン強い奴とスパーで殴り合ったらさらに違うステージに立てると思う。デビュー戦までに豪州、アメリカ、ロシアなど、でかくて強い奴がたくさんいるところにいって、どれだけ自分が通用するのかを確かめたい。日本のヘビー級を制した後にクルーザー級で世界へ行くには少ない戦績では評価されない。1年に3試合、5試合を世界を飛び回ってやっていこうと思っている。ゴールはアメリカです」 プロ転向の動機がもうひとつ。生後2か月で父がガンで亡くなった。厳しい家庭環境、しかも、不自由な日本で自分を育ててくれた母・マリアさんへの特別な思いがある。 「言葉もわからないのに…ガキの頃はわからなかったが、大人になって母親がやったことが凄いことだとわかる。母への恩返しが一番のモチベーションです」。単なるビッグマウスではない。この男には強くなる理由がある。 最後に。 この22日(日本時間23日)には、米国ラスベガスでWBC世界ヘビー級王者、デオンテイ・ワイルダー(米国)と、元3団体統一王者、タイソン・フューリー(英国)との世紀の再戦が行われる。 但馬は、「ボクシングが上手いのはフューリーで喧嘩が強いのがワイルダー。どんなにうまくてもどんなに速くても一発もらえば終わるのがヘビー級。だから面白くて、だからお金になって、だから魅力に感じるのだけど、魂が強い方が勝つんだと思う」と予想している。 いつか自分もその舞台へ。異端のヘビー級ボクサーの夢が広がる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)