「僕も人間なので…」順天堂大オリンピアン三浦龍司の葛藤 悩む大黒柱の背中を押した“監督の言葉”で最後の箱根駅伝へ
2024年1月2、3日に行われる第100回箱根駅伝。順天堂大4年生の三浦龍司選手は、駅伝主将として最後の箱根路へ挑みます。世界の舞台で戦うキャプテンだからこその葛藤。そんな悩む大黒柱の背中を押した存在がいました。 【画像】箱根駅伝 順天堂大学のエントリー16選手一覧
■「僕も人間なので…」かかる期待に本音
2021年の東京五輪、当時2年生だった三浦選手は、3000m障害に学生オリンピアンとして出場。決勝へ進むと、この種目で日本選手初の7位入賞を果たし、学生ながら世界で戦えることを示しました。 その三浦選手を支えているのが、順天堂大・長門俊介駅伝監督です。学生時代は4年連続で箱根駅伝に出場し、第83回大会では総合優勝を成し遂げました。3000m障害の選手ではありませんでしたが、練習メニューを考え、熱心にサポートします。 三浦選手からは、「自分の意欲やチャレンジしたいことを、同じような熱量や視点で取り組ませてもらえた」と絶大な信頼。進むべき道をともに切り開く、伴走者のような存在です。 三浦選手は、学生ながら陸上界で常に注目の的。しかし、これまでに出場した3度の箱根駅伝では区間10位、11位、12位といずれも区間2ケタ台でした。 それには世界の舞台で活躍する三浦選手だからこその理由があります。夏にチームメートが駅伝シーズンに向けて走り込む最中、三浦選手は9月まで海外の大会に出場。短い準備期間で箱根駅伝の長い距離に対応することは、容易ではありません。長門監督は、「走り込める時期の練習が影響してくれるので、難しい」と頭を悩ませます。 三浦龍司選手も、ある日のインタビューで、「“オリンピアンだから”とひとくくりにしたい気持ちはわかるが、僕も人間なので仕方がない。期待に応えられればそれがベストですが、応えられないことも当然あります」と吐露。チームに貢献したいと思いつつも、十分に果たせないことにもどかしさを抱えていました。
■世界の舞台で戦うキャプテンだからこその“葛藤”
前回大会、輝く4年生の姿がありました。4年生として走った5人は、区間賞1人に、全員が区間1ケタの快走で総合5位に貢献。レース後、カメラが三浦選手を追うと、走り終わった4年生に「お疲れ様です。マジでかっこよかったです」と笑顔で抱擁する姿がありました。 「ラストランということで、なんでそんなに開きが出るんだろうと不思議で、一番奮起していた4年生の姿を見ていると、4年生って何が違うんだろうって感じた」