トランプ就任2カ月前に、中国がアメリカに提示した「4つのレッドライン」とは(海外)
中国の習近平国家主席は、アメリカのジョー・バイデン大統領と会談し、「4つのレッドライン」を示した。 それは、民主主義と中国の発展などに関するものだ。 習主席は、ドナルド・トランプ次期大統領が2カ月後に就任することを見越してこのように述べたと思われる。 アメリカのドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領の就任まであと2カ月だが、中国はすでに両国の間に一線を引き始めている。 2024年11月16日、ペルーのリマで開催された第31回アジア太平洋経済協力会議(APEC)の合間に行われた米中首脳会談で、習近平国家主席は、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に対して、米中関係における「4つのレッドライン(越えてはならない一線)」を明確に示した。それは、台湾、民主主義と人権、中国の進路と体制、そして発展の権利といった問題のことだ。 「これらには決して干渉してはならない」と習主席が述べたと、会談後に発表された声明に記されている。 「これらは米中関係にとって最も重要な防護柵だ」と習主席は述べた。 4つのうち台湾に関することは両国間で最も敏感な問題であり、習主席はこれまで何度もそれを訴えてきた。 中国は台湾を自国の領土と主張しており、最近では台湾に対する武力行使の放棄を約束することは決してないと明言している。台湾は半導体生産で世界をリードする存在であり、重要な安全保障拠点でもあることから、アメリカにとっても戦略的に重要な地域だ。 そして、トランプ次期大統領の政権はすでに台湾にリスクをもたらしつつある。 6月、トランプはブルームバーグ・ビジネスウィークに対し、台湾はアメリカに防衛費を支払うべきだと語っていた。
トランプ就任初日に貿易戦争が始まる可能性も
2025年1月20日にトランプが大統領に就任すると世界の2大経済大国が対立に向かうかもしれないという懸念が高まる中で、今回の習主席のコメントが発表された。 次期大統領はすでに、対中タカ派のマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)を国務長官に指名している。トランプはまた、中国製品に60%の関税を課すと脅しをかけている。 2つの超大国がますます波乱の状況に向かう兆しがある中、習主席とバイデン大統領は首脳会談で、二国間関係において和解的な姿勢を示そうとした。 ホワイトハウスが発表した会談の要旨によると、両首脳は「2国間の競争的側面を責任持って管理する重要性」を強調するとともに、対立の回避や意思疎通を維持する必要性についても議論したという。 それでもなお、トランプ就任が迫る中、新たな不確実性が生じる可能性が高い。まずは貿易からだ。 「トランプは関税に関して述べてきたことを本気で実行するつもりでいる」と、大西洋評議会・地政経済センターの上級ディレクターであるジョシュ・リプスキー(Josh Lipsky)が11月中旬のメモで述べた。
Huileng Tan