AIが奪うメディアのコンテンツ、その収益を「取り戻す」スタートアップ
AIが生成した応答の何パーセントが特定のコンテンツに由来するかの「帰属率」を算出、それに応じて収益を分配するシステム
■生成AIの応答から収益を分配 一方、ProRataの創業者でCEOのビル・グロスは、AI検索エンジン向けの解決策を見つけたと主張している。同社は、AIが生成した応答の何パーセントが特定のコンテンツに由来するかの「帰属率」を算出し、それに応じて収益を分配するシステムを発明した。 「私たちのシステムの場合、『あなたの会社の記事はこのAIの応答の約33%に使用されています。そのため、あなたの会社は収益の33%を受け取る権利があります』といった提案が可能です」とグロスは語った。 また、ProRataは最近、フォーチュン誌や・アトランティック誌、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙を含む約400のメディアパートナーのライセンス済みコンテンツのみを使用する独自の検索エンジンGist.aiを立ち上げた。この検索エンジンは、まだ初期段階だが、月末に各パブリッシャーがAIチャットボットの応答に何回、自社のコンテンツが登場したかを示すレポートと、それに対する報酬を受け取れるシステムの構築を目指している。 さらに、ScalePost AI(スケールポストAI)のような他の企業も、パブリッシャーの動画やオーディオコンテンツをAI企業に提供している。同社はAI企業との収益化契約を促進し、米国内外のメディア企業に各URLにおけるボットトラフィックを監視するためのプラットフォームを提供している。「私たちは、パブリッシャーがリンクレベルで何が起きているかを把握できるようにします」と、同社のアーメド・マリクCEOは語った。(情報開示:米フォーブスはTollBit、ProRata、Scale Postらと交渉を行っている) ScalePost AIは、7月にAI検索スタートアップのPerplexityと提携を結んでおり、パブリッシャーは自社のコンテンツがPerplexityの回答で引用された場合に、その収益の一部を受け取れるようになった。 同社はまた、約800種類の異なるAIボットを識別しカタログ化した「ボットモジュール」と呼ばれる仕組みを開発している。「ここには、すべてのウェブ訪問が記録されています。これは、パブリッシャーが大いに関心を持つ透明性です。追跡ができるのであればブロックもできるのです」とマリクは語った。
Rashi Shrivastava