新酒の仕込みを前に、おいしいお酒の醸造を祈願 酒造り発祥の神話が残る大神神社で酒まつり
酒造りの神様として知られる奈良県桜井市三輪の大神(おおみわ)神社で14日、醸造安全祈願祭(酒まつり)が開催された。新酒の仕込みが始まるのを前に、全国から杜氏(とうじ)や蔵元ら150人余りが参列し、おいしいお酒が無事に醸造できるよう祈願した。 三輪山をご神体とする大神神社には、日本で初めてお酒が造られたとの神話が残り、杜氏の先祖とされる高橋活日命(たかはしいくひのみこと)が祭られている。祈願祭では、かけ替えられたばかりの大杉玉(直径約1.5メートル、重さ約200キロ)がつり下がる拝殿で、巫女(みこ)が神楽を奉納し、参列者が玉串をささげた。 拝殿前の回廊には、北海道から沖縄まで全国約270の酒造会社から奉納された日本酒、焼酎、ビールなど500本以上のお酒がずらりと並んだ。友人同士で訪れた30代の女性は、「これだけの種類がそろうと圧巻。飲んでみたいお酒も見つかり、うれしいです」と顔をほころばせた。境内では、参拝客への振る舞い酒もあった。 大神神社では毎年、大杉玉のほか、三輪山のスギを球状に束ねた直径約30センチの杉玉をつくり、全国の酒屋、蔵元に授与する。つくられた当初の杉玉は青々としているが、翌年には茶色に変化。届けられた先では、昨年の杉玉が青々とした新しい杉玉にかけ替えられ、新酒ができた合図になる。