ツアー唯一の東北決戦! “メジャー前哨戦”でニューヒロインの誕生か【大西翔太のSHOWTIME】
宮城県で行われる今週の大会は、ツアー唯一の東北決戦。昨年は岩井明愛が日本人史上2人目となる2週連続完全優勝を果たした。翌週には国内メジャー第3戦「日本女子オープン」が予定されるなか、今年の行方はどうなるのか? 青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏がその展望を占う。 リランキング突破 人気沸騰中の夢乃さん【写真】 ◇ ■今年もラフは長い! 昨年はコースのラフを“ニララフ”と表現していた大西氏。「今年のラフは去年ほど長くはないですけど、場所によってはボールが見えなくなっちゃうくらい長いところもあります」と、練習ラウンド、そしてプロアマでコースコンディションを確認した。 「距離はそこまでないので、ティショットをドライバーでやみくもに狙っていくというよりは、場合によっては刻む所もあると思う。逆算しながら回らないと、スコアメイクできないコースですね」。1打目をフェアウェイに置き、マネジメントを考えることの大切さを説く。 グリーンについては、「夏場のグリーンは雨や強い日差しの影響で焼けちゃったりしていることもあって、重くて柔らかいところが多い。でも、東北のほうはほかの地域に比べてまだ日差しが弱い分、グリーンのコンディションはすごく良いですし、硬くてスピードが出てくると思う」と、パターの実力も問われるコースだ。 ■優勝候補は“総合力”がある選手 フェアウェイキープ率が高くてパターがうまい。“総合的な能力”が備わっている選手が上位にくると予想するなか、まず優勝候補筆頭に挙げたのは22年大会覇者・山下美夢有。しかし、第1ラウンドのスタート前に『右ヒザ痛』のため、欠場となった。 次に名前を挙げたのは、今季2勝を挙げる小祝さくら。先週の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」では最終日に「65」をマークした。「パッティングはできるし、ショットも狙ったとこに行く。状態を上げてきています」と、“総合力”が備わる26歳を優勝候補に挙げる。 ■ニューヒロイン誕生の予感も そして初優勝に期待がかかる“プラチナ世代”安田祐香の名前も挙げた。昨年は2打差の2位で最終日を迎えたが「73」と崩れた。「本人と話していても、『去年の悔しさを晴らす時がきた』と気合は十分ですね。安田選手はドローヒッターで、このコースに向いているのではないかなと思います。頑張って欲しいですね」と“ニューヒロイン誕生”へ、期待を込めた。 さらに、先週に初めて最終日最終組に入り優勝争いを演じたルーキー・菅楓華など、若手選手が優勝をするチャンスは大いにあると見る。 一方、今季6勝を挙げて現在メルセデス・ランキングでトップに立つ竹田麗央については、「山下選手と年間女王を争っていますが、やっぱり追われる立場というプレッシャーもあると思います。そのプレッシャーに打ち勝って、今週もいいプレーをしてもらえたらなと思ってます」。来週は日本一を決める戦い「日本女子オープン」が開催。シーズンも終盤戦に差し掛かり、年間女王争いもし烈になっていきそうだ。 解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。