世界に広がる鳥インフルエンザ、ついに南極大陸でも初確認、各地で動物が大量死
解決策は?
鳥インフルエンザを食い止めるにはどうすればよいのだろうか? 今のところ、私たちにできることはあまりない。 専門家たちは、絶滅の危機に直面している野生のカリフォルニアコンドルにワクチンを接種する実験を行ったが、野鳥であれ飼育鳥であれ、ほかの鳥たちにワクチンを接種する方法はまだ見つかっていない。 「可能性がないわけではありませんが、カツオドリのコロニーにワクチンを打つことは私の想像を超えています」とレイン氏は言う。 ウアルト氏によると、ワクチンがあれば一部の野生動物を保護できる可能性があるが、ワクチンと人間の健康をめぐる論争が、そうした製品の開発を妨げているという。「別の方法で管理できるはずの感染症を制御するために世界中で数十億羽のニワトリを殺処分している現状を、私はますます受け入れがたく思うようになってきています」 その一方で、ウイルスは拡散し、適応し、新たな形態へと進化し続ける。なかには、人間をはじめとする哺乳類を標的とするものもあるだろう。 「鳥インフルエンザは人獣共通感染症のナンバーワンです。このウイルスはパンデミックを起こすのに最適な特徴をすべて備えています」とウアルト氏は言う。
文=JASON BITTEL/訳=三枝小夜子