半導体装置向け石英ガラス生産、中国から国内回帰…ジーエルテクノが相次ぎ新工場
ジーエルテクノホールディングス(HD)は半導体製造装置に使う石英ガラス製品について、中国から日本国内への生産回帰に乗り出す。山形市などの既存工場近くに新工場を相次ぎ建設し、2026年以降の稼働を目指す。総投資額は約100億円。米中対立に伴い調達リスクなどが懸念される中、サプライチェーン(供給網)再編の圧力が強まっている。新工場の建設で中長期的な半導体需要の拡大に対応し、生産能力の増強につなげる。 蔵王南工場(山形市=写真)隣接地に土地を取得し、溶接や成形、焼仕上げといった「火加工」の工場を新設する。同工場では穴開けや研削、研磨といった「機械加工」のみを行っていた。投資額は35億―40億円。27年1月に稼働する予定。 またグループ会社アイシンテック(福島県喜多方市)の喜多方工場(同)近辺の土地を取得し、機械加工工場を新設する。投資額は20億円。26年4月に稼働する予定。このほか分析機器を手がける福島工場(福島市)近隣の福島県伊達市に約3万3000平方メートルの土地を取得。分析機器事業だけでなく半導体事業での活用も検討する。投資額は約40億円。 半導体の加工プロセスには火加工と機械加工があり、人手作業の火加工には熟練技能者の技術が必要だ。 既存の中国工場(浙江省杭州市)は中国市場向けの生産拠点として機能を維持する。