停戦発効でイスラエル北部に「異様」な平穏、ヒズボラの脅威は残る
ヒズボラは「より大きく、強くなって戻ってくる」
仲介者たちは今回の停戦合意と安保理決議1701が恒久停戦の基礎となる可能性に期待を寄せるが、イスラエル北部の住民の多くはそれほど楽観的ではない。 停戦発効に先立ち、北部ナハリヤの住民の一部はヒズボラとの停戦の実現に懐疑的な声を上げた。 ナハリヤはレバノン国境からわずか10キロに位置する。 午後にナハリヤを訪れていた付近のキブツ(農業共同体)の住人、グイ・アミラニさんは、停戦が平和をもたらすことを期待しているが、戦闘停止が恒久的に続くとは考えていないと話した。 「平穏が2年間続いた後、彼ら(ヒズボラ)は攻撃を再開するだろう」「30年か40年経てば、私の子どもたちがキブツの入り口を警備して、あらゆる悪から守ってくれる」 イスラエルは9月、進行中の戦争に新たな目標を追加し、レバノン国境や数千人に上る避難民を重視する姿勢に転じた。当時はイスラエル北部の当局者や住民から帰還の必要性を訴える声が強まり、イスラエル政府に対し、レバノン南部から発射されるヒズボラのロケット弾の脅威に対抗するよう一段の圧力がかかっていた。 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスによる10月7日の攻撃の翌日、ヒズボラはイスラエル国境地帯の農地への攻撃を開始し、これが1年以上続く応酬のきっかけとなった。イスラエル北部からは6万2000人以上が避難。レバノン保健省によると、国境を超えたレバノンでも9万4000人以上が住む場所を追われた。