「ディオール」ビューティのトップが初めて語る ドレスと香りから生まれたメゾンの物語
進化し続けることで、若さと輝きを失わない
WWD:フランシス・クルジャン(Francis Kurkdjian)による“ミス ディオール”が生まれた背景は? クルトワCEO:“ミス ディオール”は、クリスチャン・ディオール自身の手から生まれ、その時代の女性を尊重しながら、情熱的なクリエイターによって繰り返し再解釈・創作されてきた。時代を超えて進化し続けることで、若さと輝きを失わずに現在に至っている。クルジャンの最新の解釈も同様だ。最新作ではクルジャンもまた、クリスチャン・ディオールに深い敬意を払い、作り上げた。“永遠の若さ”からインスピレーションを得て、多様で豊かな香調を取り入れ、ジャスミンに新たな解釈を加えることで現代的に仕上げた。これはまさに革新的な「ニュールック」だ。
WWD:2022年から23年にかけて東京で開催した「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展に続き、再び建築家の重松象平が空間デザインを手掛けた。 クルトワCEO:重松氏は、素晴らしい建築家であり空間デザイナーだ。現代的なデザインと「ディオール」が長年大切にしてきた文化を融合させる才能がある。
WWD:“ミス ディオール”はアーティストとのコラボレーションも盛んだ。その理由は? クルトワCEO:アーティストは、世界を独自の視点で見て、常に問題提起する。その視点を取り入れ、物事を新しい角度から見ることで、“ミス ディオール”は革新を続けている。また、クリスチャン・ディオールは元々ギャラリーオーナーで常にアーティストに囲まれていた。われわれには、この伝統を受け継ぐ義務がある。今回注目すべきは、フランス人アーティスト、エヴァ・ジョスパンとのコラボレーションだ。ムンバイの女性による手刺しゅうの部屋と限定エディションを発表した。他にも、ナタリー・ポートマンがキャンペーンフィルムで着用したオートクチュールドレスをはじめ、アートピースや歴代の“ミス ディオール”の貴重なアーカイブを展示する。アーティストと共に未来を大胆に見据えることが重要だ。