ジャンプ・トレーディングが2900万ドル相当のイーサリアムを移動したもよう──回復中の市場で売却準備か
トレーディング大手ジャンプ・トレーディング(Jump Trading)のものとタグ付けされたウォレットは、イーサリアム(ETH)が5日月曜日に起きた暗号資産(仮想通貨)市場の暴落から回復する中、大量のイーサリアムをオンチェーンで移動させた。 ブロックチェーン調査会社スポット・オン・チェーン(Spot On Chain)によると、このウォレットはリキッドステーキングサービスのリド・ファイナンス(Lido Finance)に預けていた2900万ドル相当(約42億500万円、1ドル145円換算)の1万1500ETHのステーキング解除し、コインを「ジャンプ・トレーディング 0xf58」とタグ付けされた0xf584f8728b874a6a5c7a8d4d387c9aae9172d621のアドレスに移動させた。 シカゴを拠点とするジャンプ・トレーディングは以前、そのアドレスを使用して中央集権型暗号資産(仮想通貨)取引所にコインを送金していたが、これは市場で保有資産を売却または清算する意向と関連していることが多い。 スポット・オン・チェーンはX(旧Twitter)に、「1万1500ETHは、中央集権型仮想通貨取引所にイーサリアムを入金するためによく使用されるウォレット『0xf58』に送金されたことに留意すべきだ」と投稿。「現在、ジャンプ・トレーディングはウォレットにまだ2万1394wstETH(6360万ドル)と1万6292ETH(4130万ドル)を保有しており、1万9049stETHはリドでステーキング解除プロセス中だ」と指摘した。 4日日曜日、同社のものとされるウォレットが4600万ドル相当のイーサリアムを中央集権型取引所に送金し、マクロ経済の動向によって引き起こされたイーサリアムの売り圧力がさらに高まった。CoinDeskのデータによると、4日序盤に2900ドルだったイーサリアムは、5日には2100ドル近くまで下落した。 コイン・メトリクス(Coin Metrics)は6日のニュースレターで、「この売りは、米商品先物取引委員会(CFTC)の調査を受けたジャンプ・トレーディングの暗号資産ポートフォリオの解消など、暗号資産特有の材料によって悪化した。これは、マウントゴックス(Mt.Gox)による債権者への返済と(グレイスケールの金融商品である)GBTCやETHEからの流出による供給過剰が継続的ではあるが落ち着いてきていたところに加わった。過去2週間のジャンプ・クリプト(Jump Crypto)の清算は主にイーサリアムによるもので、取引所への入金が直近ではFTX崩壊時が最後だった水準まで上昇している」と説明した。 イーサリアムの価格は5日月曜日以降落ち着きを取り戻しており、2400ドル以上を超えるまで反発した。市場リーダーであるビットコインの回復と伝統的な市場におけるリスクリセットの兆候をなぞっている。 |翻訳・編集:林理南|画像:TheDigitalArtist/Pixabay|原文:Jump Trading Allegedly Moves $29M in ETH as Ether Tops $2.5K
CoinDesk Japan 編集部