草むらに棄てられた段ボール 中には生まれたばかりの子猫 「ここで亡くなってくれ」という強い意図に怒りと憤り
2024年6月、千葉県内のとある河原で、洗剤が入っていたとおぼしき段ボールとネズミ取りカゴが不自然に置かれていました。段ボール、ネズミ取りともに、テープがぐるぐるに巻かれていましたが、中からは小さな「ニャー」という鳴き声が聞こえてきます。 【写真】保護された2匹の子猫。無垢な表情を浮かべていました 通りかかった人が開けると、中には小さな子猫。2匹は必死に助けを求めているようでした。 ■「ここで亡くなってくれ」という強い意図を感じる 段ボール、ネズミ取りともにテープでぐるぐる巻きで、小さな子猫では自力に脱出することはまず不可能です。遺棄した人の「ここで亡くなってくれ」という強い意図を感じます。 どうしてこんなことができるのでしょうか。どんな経緯で生まれたのかは定かではありませんが、私たち人間と同じ生き物です。強い憤りを感ぜずにはいられません。子猫2匹を救い出した人は、後に千葉県の保護団体、ねこ友会に連絡をし、経緯と合わせて保護を依頼。ねこ友会では一も二もなく保護を快諾し、まずはこの子猫2匹のの世話を引き受けることにしました。 ■後を経たない「猫の遺棄」 保護した子猫はラグドール風と茶トラ。発見が遅ければ確実に死に至っていた2匹ですが、過酷な経験を感じさせないほどの無垢な表情を浮かべています。 幸い健康状態も良好。後に預かりボランティアさんの家での世話を受けてスクスク成長し、2匹とも安心して過ごせる「ずっとのお家」が見つかり、今は幸せに暮らしています。 ねこ友会のメンバーによれば、ここ最近は「猫の遺棄による保護依頼」が毎週のようにあり、あらためて強い憤りと悲しみを感じるとして以下のような話もしてくれました。 「悲しいことですが、最近特に遺棄による保護依頼が増えています。猫のお世話ができなくなった、お世話ができないのに子猫が生まれてしまったといった場合、どうか遺棄ではなく別の解決方法を考えてみてください。SNSでの呼びかけや、友人・知人に里親さんを探してもらうことも一つの方法です。それでも難しい場合は、地元の役所や動物保護団体に相談してみるのもまた一つの方法です。幸い、今回保護した子猫2匹は無事に過ごせていますが、人間の悪意ある遺棄によって命を落とす猫は後を絶ちません。これ以上、同じような悲劇が繰り返されないことを願います」 遺棄される猫がこれ以上増えないためにも、保護猫にまつわる情報提供や議論の場が今後さらに増えていくべきだとも思いました。1匹でも多くの猫が救われることを願ってやみません。 ねこ友会 https://nekotomokai.amebaownd.com/ (まいどなニュース特約・松田 義人)
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