開会式で行進する札幌大谷イレブン

　全国高校サッカー選手権の開会式が行われた。前回優勝校・青森山田に続く全体の２番目で登場した札幌大谷は、スタンドに手を振るパフォーマンスを見せ、リラックスした雰囲気で行進した。２９日は藤井学園寒川（香川）との１回戦に臨む。ＭＦ笹修大主将（３年）は初戦の鍵に先取点を挙げ、再び国立に戻ってくると快進撃を誓った。 　圧巻の景色に思わず笑みがこぼれた。モザイク模様の観客席が、反り立つようにグラウンドを覆う。初めて国立を訪れたという笹主将は「これだけの素晴らしいスタジアムを歩けるのはうれしいこと。ここでサッカーができる機会が身近にあるので、自分たちが自信を持ってやれれば、ここに戻ってこられる実力はあると思っているので、そこに全員で挑戦していきたいです」と、準決勝での再訪を目標に掲げた。 　初戦に向けて準備は整っている。１８日に千葉県内に移動し調整。主将は「暖かい中でサッカーができているので、チームの気持ちという部分ではだいぶ上がってきている」と手応えを語った上で、好調な選手には道予選で４戦連続ゴールをマークしたＦＷ簗詰夕喜（３年）を挙げ「本人も気持ちが上がってますし、練習でも毎日のように点数を取ってくれてるので、期待してます」とうなずいた。 　警戒も怠らない。初戦の相手は香川県予選を無失点で勝ち抜いた、堅守が持ち味。縦に速いサッカーを警戒しつつ、セットプレーやロングスローへの対策はしっかり準備してきた。その上で「自分たちのフォワードだったりサイドハーフが、しっかり点を最初に刺せるかっていう部分が大事」と先取点をポイントに挙げた。 　初戦を突破した場合、２回戦は大津（熊本）との対戦が濃厚。大津は圧倒的な攻撃力でプレミアリーグＷＥＳＴに加え、同ファイナルを制し日本一に輝いた優勝候補だ。それでも笹主将は「攻撃的なサッカーが自分たちの売り。ボールをつなぐサッカーだったり切り替えの速いサッカー、ゴールに向かうサッカー、自分たちらしいサッカーを出せれば」と意気込んだ。難敵との大一番を味わうため、まずは初戦に全力を尽くす。（山口　泰史）