今季絶望級の負傷翌日…松葉づえ姿のソフトバンク近藤健介が行った執念の打撃練習 初MVPに導いた「ワークアズライフ」の精神
◆NPBアワーズ2024 supported by リポビタン D(26日、東京都内) ソフトバンクの近藤健介外野手(31)が26日、2024年度のパ・リーグ最優秀選手賞(MVP)に輝いた。 ■4位までソフトバンク勢が独占、2位との得点差は?【MVP投票結果一覧】 プロ13年目の今季はリーグ1位の打率3割1分4厘に加え、19本塁打、72打点。不動の5番として自身初の栄誉を手にした。 卓越した打撃技術はさることながら、野球に向かう強烈な執念が近藤の真骨頂だ。9月16日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で、走塁中に右足首を負傷した。その翌日、松葉づえをついて本拠地を訪れ、小久保監督らと今後について協議した。その後、向かったのはベンチ裏の打撃練習場。打撃マシン相手に黙々とバットを振り込んだ。今季中の復帰も危ぶまれるほどの重傷だったにもかかわらず、止まってはいられなかった。 常に「野球がうまくなるためにどうしたらいいか」を一番に考えてきた。毎年自主トレを行う鹿児島・徳之島の宿舎には温冷交代浴の設備を自費で設置。野球のために自己投資は惜しまない。そんな姿について、父の義男さんは「ワークライフバランスじゃなくて、ワークアズライフなんです」と評する。仕事としてではなく、人生としての野球を追求してきた。 ソフトバンクで通算1108安打をマークした長谷川勇也氏(現R&D担当)は、現役時代にそのストイックな姿勢から「求道者」と称された。近藤は日本ハム時代からその長谷川氏に、打撃についてアドバイスを請うてきた。ソフトバンクの新たな求道者、近藤健介がまたひとつ栄冠を手にした。(鬼塚淳乃介、大橋昂平) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社