家島沖に珍客?! キタオットセイか、釣り客ら発見 海面泳ぎ毛繕い 専門家「瀬戸内での目撃ない」 兵庫
兵庫県姫路市の播磨灘で、キタオットセイとみられる生物が確認された。家島沖北約3キロで、船上で釣りをしていた同市の会社員の男性らが発見。気持ちよさそうに海面を泳ぐ姿や毛繕いをしている様子を約1分間、動画に収めた。 【動画】家島沖に珍客?! キタオットセイか、釣り客ら発見 発見したのは10月13日午前8時半ごろ。男性が船上で友人2人と釣りを楽しんでいると、海面で動く生き物を見つけた。黒っぽい体で、体長は1メートル超。男性は「足ひれのようなものが見えたので、最初は人間のダイバーかと思った。海でイルカやクジラを見たことはあるが、とにかく驚いた」と振り返る。 神戸市須磨区の水族館「神戸須磨シーワールド」の中野良昭館長(55)は、動画を確認した上で「映像だけで断言できないが、キタオットセイか、トドではないか」と推測。さらに「いずれも瀬戸内海での目撃例はなく、珍しい」と驚く。 中野館長は、千葉県鴨川市の「鴨川シーワールド」で30年以上、アシカやアザラシなどの飼育を担当。キタオットセイを保護した経験もある。中野館長によると、キタオットセイは夏に北太平洋で繁殖期を過ごし、冬から春先にかけて東北や千葉県沖まで南下。日本海側の鳥取県で保護されたケースもあり、今回はキタオットセイの可能性が高いという。 中野館長は「群れで活動する種だが、餌を取りながら南下するうち、はぐれたのではないか。元気にグルーミング(毛繕い)しているようにも見える」と話した。(辰巳直之)