「テロが成功してしまった日本」テロの脅威に晒された日本の民主主義と社会の責任
衆院選では自民党が爆裂的な敗北を喫しました。身を切って退任した岸田さんが気の毒になるレベルの惨劇。暫くは不安定な政局が続くのでしょう。そして今、このタイミングだからこそ議論すべき問題があります。 この記事の他の画像を見る 先週、維新の音喜多さんが演説中に集団に囲まれるという事件が発生しました。殺害予告もあったそうです。19日には自民党本部・首相官邸で火炎瓶テロ。実は春先の衆院補欠選挙でも「実力行使」に近い選挙妨害が起きており、さらに遡れば岸田さんへの爆弾テロ、安倍元首相の暗殺…… 火炎瓶テロに対しては、林官房長官が「何事もなかったかのようにしっかり選挙を実行していく」とコメントしています。この言葉、実は非常に重い意味があり……何しろ私たちの社会は、すでに「テロによって社会が動いた」という最悪の経験をしていますから。
テロで目的を達成
安倍さんを射殺した容疑者の供述から、旧統一教会が自民党に食い込んでいたこと、未だ宗教団体として問題のある活動を続けていたことが確認され、結果的に教団の解散命令に向けた「審問」にまで至っていることは、皆さんもよくご存じの紛れもない事実です。 でもこれ、何かを変えたいと思った人間が暴力でそれを実現させてしまったという話であり、もしこれを許容したら、それは民主主義の完全否定になります。私は、 「あのテロには意味があった、良いテロもある」 という主張には一切賛同できないし、この記事にもその要素は一切ありません。そういう議論はぜひ別の媒体でお願いします。 ちなみに「意味があった」「良いテロ」という方に、もしアナタが逆の立場になっても良いのかと尋ねると、決まって「私は大丈夫」「私はちゃんとしているから」というよくわからないお返事を頂くんですよね。大丈夫かどうかはあなたを襲う相手が決めるんですが…… 日本は民主主義国家です。もしテロリストの主張がどれだけマトモで立派で正しくても、テロ、暴力による現状変更を許容してはいけない。例外はありません。