中国、日本との関係安定化目指す 石破氏のアジア版NATOは警戒
【北京共同】中国の習近平指導部は石破茂政権との間で日中関係の安定化を目指す方針だ。広東省深センで起きた邦人男児刺殺事件や中国で相次ぐスパイ容疑での邦人拘束といった課題が山積する中、首脳や高官同士の意思疎通が図れるかが焦点。ただしアジア版の北大西洋条約機構(NATO)創設を唱える石破首相の安全保障戦略には、警戒感が広がる。 習国家主席は昨年11月の岸田文雄前首相との会談で日中両国の「戦略的互恵関係」を推進させる考えで一致しており、中国外務省の林剣副報道局長は石破氏が自民党総裁に選出された9月27日の記者会見で、日中関係を「正常な軌道に沿って健全で安定的に発展させるよう望む」と表明した。 中国はアジア版NATOについては、日米連携を強化し「中国や北朝鮮の封じ込めを図る動きを加速させる」(中国人研究者)と分析。中国外交筋は「地域の不安定化を招く」と反発する。 日中間では深センの事件を受け中国での邦人の安全確保が重要課題に浮上した。東シナ海での中国の威圧的行動には、日本で懸念が強まっている。