レバノンで18日、今度はイスラム組織ヒズボラの戦闘員が使用していた携帯無線機が爆発した。同国保健省は今回の事件で14人が死亡し、450人が負傷したと発表した。同国では前日、ヒズボラ戦闘員が使用していたポケベルが相次ぎ爆発し、子ども2人を含む12人が死亡、3000人近くが負傷したばかり。ベイルートの南郊にいたロイター通信の記者は、ヒズボラのメンバーらが爆発していないトランシーバーの電池を必死に取り外す様子を目撃したと語った。 ポケベル爆発で死亡した4人の葬儀で、ヒズボラ幹部は報復を宣言した。 ヒズボラ幹部　ハシェム・サフィディン氏 「この侵略行為には必然的に罰が伴う。報復もある。神の思し召しがあれば、この罰は必ず来る」 レバノンの治安当局高官は、爆発物は数カ月前にイスラエルの諜報機関モサドによって仕掛けられたとの見方を示した。 イスラエル軍は爆発についてコメントを拒否した。 ブリンケン米国務長官 「すべての当事者が紛争を激化させる可能性のある。いかなる行動も控えることが不可欠だ」 ガザ停戦合意に向けカイロを訪問中のブリンケン米国務長官は、レバノンでの爆発は中東における外交努力を頓挫させる恐れがあると述べた。 また国連のグテーレス事務総長は、この事件により同地域で情勢が劇的に悪化する恐れがあると述べた。 国連　グテーレス事務総長 「これらすべての装置を爆発させるという論理は、大規模な軍事作戦の前の先制攻撃であることは明らかだ」 治安当局筋によると、今回爆発した携帯無線機はヒズボラがポケベルを購入したのとほぼ同じ5カ月前に購入されたという。 同組織の活動に詳しい2人の情報筋によると、ポケベルはイスラエルの追跡を逃れるために使い始めたものだという。 一方イスラエルは18日、戦争が新たな段階に入ったことを受けて、ガラント国防相がレバノンと接する北部国境に部隊を増派すると兵士たちに告げる映像を公開した。