【レッスルダイナスティ】ケニー・オメガ ゲイブ・キッドとの壮絶死闘制す「今の新日本にはああいう男が必要だ」
新日本プロレスとAEWらの合同興行「レッスルダイナスティ」(5日、東京ドーム)で、ケニー・オメガ(41)がゲイブ・キッド(27)との死闘を制した。 昨年11月大阪大会で大乱闘を繰り広げた2人の遺恨決着戦。今大会最大の注目を集めたカードは壮絶な展開となった。ケニーが場外のテーブル上へのパワーボムをさく裂させると、ゲイブは額から出血する。しかし鬼の形相で立ち上がると、場外でテーブルへのブレーンバスターからテーブルの板で殴打。ケニーも激しく出血し流血戦となった。 ケニーの場外弾にレフェリーが巻き込まれてしまったため、リング上はレフェリー不在の無法状態に。ケニーは容赦ないイス攻撃でゲイブを追い込んでいく。急きょメインレフェリーのレッドシューズ海野が駆け付けると、今度は火の出るような打撃戦に。ケニーのVトリガーにゲイブもラリアートで応戦する。 ケニーは雪崩式ドラゴンスープレックス、ダブルアーム式パイルドライバーと大技を連発。しかしVトリガーからの片翼の天使は、何と卍固めに切り返される。ジャーマンからパイルドライバーを浴びて一転窮地に陥った。3冠パワーボム、レッグトラップパイルドライバーを浴びて万事休すかと思われたが、執念でロープに足をかけ3カウントを許さない。 最後の力を振り絞るケニーはVトリガー、パワーボム、Vトリガーと怒とうの猛攻を見せるが、ゲイブは何とカウント1でキックアウト。ならばと盟友・飯伏幸太の必殺技カミゴェを叩き込むと、最後は片翼の天使で沈めてみせた。解説席に座っていた棚橋弘至が涙を流す一幕もあったほどの大激闘だった。 試合中は「バレットクラブ・ウォー・ドッグス」ながら新日本を背負ったゲイブに大声援が送られ、外敵のケニーにブーイングが飛ぶ場面もあった。23年12月から憩室炎で長期欠場し、愛する日本で復帰戦に臨んだケニーは「裏切られた気分だったよ。お前たちのためにAEWではなく新日本のリングを選んできたのに…なんか…」と悲しみで言葉を詰まらせながらも「これで決断することができた。自分自身の試合をする。俺がやるべき仕事、自分自身を証明する」と前を向いた。 一方でゲイブに対しては「お前と戦おうと思った俺の決断は正しかった。それを今日お前は見せてくれた。新しいヒーローが誕生したな。日本にはゲイブというスターがいる。若くてハングリーで情熱があり、熱心で全てを捧げることができる男だ。今の新日本にはああいう男が必要だ」と称賛。さらには「友人だと思っていたヤツらにも裏切られ、そしてただ一人裏切らなかったヤツはここにいない。『ここにも来たくない』と言っていたので、ここには来ないだろう」と、おそらくは飯伏への思いを明かした。 一方のゲイブも「完全にやられた。今日はケニーがベストバウトマシンだった」と完敗を認めた。戦前は激しく罵り合ってきたケニーとゲイブだったが、東京ドームのリングでプロレス史に残るベストバウトを生み出した。
東スポWEB