東播磨の「ゴロ・ゴー」 土壇場の同点劇、カギは信頼 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第3日の22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、21世紀枠で初出場の東播磨(兵庫)は延長戦の末、明豊(大分)に9―10でサヨナラ負けした。 【東播磨VS明豊】熱戦を写真特集で 三塁走者の高山は、5番・鈴木が打席でテークバックを取ると同時に、猛然と本塁に向かってスタートを切った。バットに当てた鈴木の打球を明豊の三塁手が捕球した時には、高山はすでに本塁前まで到達。1点を追う東播磨の九回1死三塁の同点劇。ベンチのサインは「ゴロ・ゴー」。三塁走者であっても、果敢に仕掛けたエンドランだった。 21世紀枠として春夏通じて初出場を果たした東播磨。グラウンドは他部との共用で、平日は自由に打撃練習さえできない悩みもある。だが、2008年夏と11年春に加古川北(兵庫)で2度甲子園に出場した福村監督が掲げるのは「走姿顕勢(そうしけんせい)」。走る姿で勢いをつける意味の造語で、走塁に特化したチームを作り上げてきた。 「徹底的に点を取ろうと思った」と福村監督。三回も1死三塁から「ゴロ・ゴー」を成功させた。臨時代走で本塁生還を果たした主将の原は「打者と走者の信頼関係が大事。(打者がバットに)当ててくれると思ってスタートを切った」と胸を張った。 「記憶に残るいい点の取り方はあった。自信を持ちたい」と原。12四死球に9安打を絡めて、ひるむことなく攻め続けて奪った9得点。敗れはしたが2度も追いつく粘りの攻撃は、甲子園に強烈な印象を残した。【藤田健志】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。