AIによる動画編集ツールの台頭、需要の増加が背景に
Pictory(アメリカ) ブログ投稿や記事、その他のテキストベースのドキュメントなど長尺のコンテンツから最良の部分を自動的に抽出し、300万以上のストック映像、画像、音楽、テキストと組み合わせて高品質な映像を作成する。
Neural Frames(ドイツ) 音楽ビデオとアニメーションのジェネレーター。AIのプロンプトアシストでアニメーションを生成するほか、音楽のムードやビートを分析し、音楽にマッチしたビデオをリアルタイムに作成。
クリエイターの強力なツール
AIが人間に取って代わるという議論はよくある。動画編集の業界も例外ではなく、スクリプト起こしなど淘汰される職種は確かにあるだろう。だが、業界にいるコンテンツクリエイターたちは、むしろ新しい可能性にワクワクしているのではないだろうか。なぜなら制作の大部分を新しい表現の探求に注ぎ込むことができるからだ。 拡張現実や仮想環境を実写映像にシームレスに統合させることで、クリエイターは自分のビジョンをより具現化できるようになる。無論、プライバシーやデータセキュリティ、アルゴリズムなどに関するガイドラインや倫理的な枠組み構築などの課題はあるが、AIによるビジュアルストーリーテリングのポテンシャルは、動画の芸術性およびその影響力を新たな高みに押し上げている。 その可能性を引き出すのは人間の創造力だ。人間の創造力がなくてはAIの驚異的な能力は発揮されないし、AIの驚異的な能力がなければ人間の創造力も限られてしまう。両方が互いを補完することで新たな領域に進むことができるのだ。
文:水迫尚子 /編集:岡徳之(Livit)