オープンソースから学んだ10の教訓--テクノロジー以外でも役立つ人生の知恵
5. 小さな勝利を楽しむ オープンソーステクノロジーは、小さな勝利が貴重であるということをずっと前に教えてくれた。今でも覚えているのが、初期のLinuxを使っていた頃、途方もない問題を解決したように感じたにもかかわらず、その勝利は思っていたよりもはるかに小さいことにすぐに気づいたことだ。 それでも、そうした小さな障害をうまく克服する経験を積み重ねていくことが重要だ。そして、小さな勝利を手にすればするほど、前進し続けることができる。これは後退するよりもはるかに良いことだ。筆者にとっては、1つの大きな勝利よりも、1000の小さな勝利の方が常に大きな価値を持つ。 6. コミュニティーの構築が極めて重要 Ubuntuは文字通り「コミュニティー」を意味する。コミュニティーはオープンソースの重要な側面だ。初期の頃は、コミュニティーがオープンソースを存続させていた唯一の要因だった。 Linuxコンベンションに参加すれば、コミュニティーの雰囲気を実感できる。イベントの参加者は皆、同志であり、その感覚がコミュニティーを特別なものに思わせていた。 そのコミュニティーがなければ、Linuxは決して成功しなかっただろう。なぜなら、世界制覇(冗談半分の目標だった)という同じ目標を持つ人々がこれほど多く集まることはなかったはずだからだ。 7. 共同作業で負担を軽減 オープンソースの本質は共同作業だ。確かに、一部の小規模プロジェクトは1人の開発者に依存しているが、ほとんどの場合、オープンソーステクノロジーの本質はチームワークである。 筆者は昔、すべてを自分でやろうとしたが、それがどのような結果を招くかは、皆さんもご存じだろう。そう、燃え尽きて失敗する。オープンソーステクノロジーは、共同作業が重要であることを教えてくれただけではなかった。共同作業のアプローチは、(それがどんなタスクであれ)タスクを他者に任せることで、プロジェクトがより円滑に進んだり、疲労が軽減されたり、諦めたくなる気持ちを抑えたりできることを常に思い出させてくれる。 共同作業は、とてつもなく優秀な人々がいることも思い出させてくれる。筆者は、可能な限りそのような人々と一緒に作業をしたいと考えている。 8. 忍耐は報われる 開発者や設計者、関係するチームにジャックラッセルテリアのような粘り強さがなければ、ほとんどのLinuxプロジェクトは成功しないだろう。 困難を乗り越える人と諦める人を分けるのが忍耐だ。この教訓をずっと前に学んでいなかったら、筆者は執筆のキャリアが軌道に乗る前に諦めていただろう。 9. 困難を楽しむ 本記事から学ぶべき重要なことが1つある。困難は旅の一部であるだけでなく、楽しむべきものでもあるということだ。困難に直面したとき(オープンソースコミュニティーは定期的に困難に直面する)、私たちは通常、それを受け入れることで成長する。 人間は、困難を克服しようと努力しているときに成長する。この教訓は筆者にとって重要である。なぜなら、人生は困難に満ちているからだ。人間関係や創作活動、体調の維持、マインドフルネスなどの問題に常に効果的に対処するのは、容易ではない。 オープンソーステクノロジーに長年関わってきて、学んだことがある。困難に立ち向かうときは、それに耐えることで何かを学べると考える必要があるということだ。 10. 弱者を尊重する 筆者はいつも、弱者を過小評価してはいけないと人々に言っている。Linuxは最初から弱者であり、それは今でも変わっていない。しかし、オープンソースソフトウェアは企業で頂点に上り詰めた。 この弱者がいなかったら、ほとんどの大企業は今の地位にいないとさえ言える。常に弱者として物事に取り組むことを余儀なくされてきたという点で、筆者のキャリアパスは長い間、オープンソースと並行して進んできた。筆者はそうした状況に満足している。成功するたびに、誇らしい気持ちが強くなるからだ。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。