二階俊博氏の後継・伸康氏に女性スキャンダル 本人は直撃に絶句 地元議員は「二階王国は完全崩壊だ」
■世耕氏が復党すれば「支部長」争いに 女性スキャンダルだけでなく、伸康氏にとっては厳しい政治情勢もある。 裏金事件の処分で離党し、無所属で当選した世耕氏は、現在は無所属ながら自民党会派に所属している。当選直後の世耕氏に話を聞いた時は、 「無所属ですが、一貫して自民党です。復党? そうなるかどうかはわからないが、首班指名ではもちろん、石破さんに投じますよ」 と語っていた。 衆院選で惨敗した自民・公明両党は、過半数を割って少数与党に落ち込んだ。石破政権としては1人でも多くの議員を取り込みたいところで、世耕氏の「復党」が早くもささやかれている。 やはり裏金問題で党員資格停止1年の処分を受け、無所属で衆院選を戦って議席を守った西村康稔・元経済産業相は、来年4月に自民党復党の見込みとされている。 自民党の幹部がこう話す。 「過半数割れで石破政権は不安定な政権運営だ。今回の臨時国会での補正予算も国民民主党と維新の賛成でなんとか切り抜けたが、いつこの2つの党が反旗を翻すかわからない。世耕氏と西村氏という大物にはすぐにでも戻ってきてほしい。西村氏が先に復党して、間をおいて世耕氏というのは、ほぼ決まった路線だ。ただ、和歌山2区から当選した世耕氏は支部長を前提に復党したいとの思いがある。次期支部長の予定の二階伸康氏とガチンコとなる。石破首相は大きな難題を抱えることになる」 和歌山県の町村会長で、衆院選で伸康氏に出馬を促し、応援してきた九度山町の岡本章町長は渋い表情だ。 「今年4月か5月から伸康氏は家庭の状況がよくなくて、離婚調停中とは聞いていた。記事を見て、彼はちょっと甘いなとは感じる。ただ、和歌山2区の新しい支部長を、引き続き伸康氏にやってもらうと県連でもほぼ合意され、年内にも決まる予定だった。そういう時にこの記事でしょう。裏があるとしか思えない」 一方、世耕氏の地元支援者は、 「女性スキャンダルの伸康氏が支部長なんてありえない。世耕氏が自民党に戻ったなら、当然、支部長です」 と言う。 選挙後も、二階伸康氏と世耕氏の「戦争」は続いている。 (AERA dot.編集部・今西憲之)
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