トランプ氏、公的医療保険の責任者に元テレビ司会者の医師起用「疑似科学を拡散」と批判も
【ワシントン=大内清】トランプ次期米大統領は19日、次期政権で高齢者や低所得者向け公的医療保険を所管するメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)のトップに元テレビ司会者の医師、メフメト・オズ氏(64)を起用すると発表した。 【写真】元テレビ司会者の医師、メフメト・オズ氏 CMSは厚生省傘下の機関で、トップ人事は上院の承認が必要。トランプ氏は声明で、すでに厚生長官に指名した反ワクチン論者のロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)とオズ氏が連携して「病産複合体と戦う」と述べ、連邦予算を圧迫する医療費の削減に期待を示した。「病産複合体」は、保険会社や医療機関、製薬会社などの相互補完関係を批判する表現とみられる。 心臓外科医出身のオズ氏は、2010年から22年にかけ、自身の名前を冠したテレビ番組をプロデュース。科学的根拠に乏しい代替医療を推奨し、医学界で「疑似科学を拡散させた」などと批判を浴びた。22年には東部ペンシルベニア州でトランプ氏の支持を受けて共和党から上院議員選に出馬し落選した。