浦和の”逸材”18歳GK鈴木彩艶が世代交代の歴史動かす
勝って兜の緒を締めよ、とばかりに貪欲な姿勢を忘れない彩艶は、地道な努力の積み重ねが認められる形で手繰り寄せたリーグ戦初先発で結果を出した意味でも、敵地でガンバ大阪と対峙する16日の次節を含めて当面はチャンスを得るだろう。 後に振り返ってみれば、浦和の守護神における世代交代の序章と位置づけられる一戦となるかもしれない。ただ、復帰した日本代表での活動中に「選手として、人間としてまだまだ成長したい」とモチベーションを高めていた西川も簡単には譲らない。 勢いのある才能豊かな若手がどんどん突き上げ、濃密な経験値を誇るベテランが必死に抗う図式のなかでチームの成長は加速される。まだ何も成し遂げていないと誰よりもわかっているからこそ、彩艶はしっかりと自分の足元を見つめている。 「試合に出るだけではなくて、出続けることが大切だと自分はずっと言ってきました。まだ1試合が終わっただけなので、これからも出られるように練習でアピールし続けていきたいし、その上で(ポジションを)勝ち取っていきたい」 浦和のアカデミー時代から西川へ憧憬の念を抱き続けてきたホープは、これからは最強の挑戦者としての気概を燃やし続ける。同じくデビューを果たした仙台戦で決勝点となる先制弾を決めたデンマーク出身の新外国人、FWキャスパー・ユンカーとともに、レッズを生まれ変わらせる強烈な化学反応がチームの最後尾と最前線で起きようとしている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)