大谷翔平が充実の1年を回顧 二刀流復活「最短目指す」 産経などオンラインインタビュー
米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(30)が9日(日本時間10日)、産経新聞などのオンライン取材に応じた。史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成し、念願のワールドシリーズ制覇を果たした今季を「いい発見が毎日あった」と回顧。来季復活を目指す投打の〝二刀流〟については「最短を目指していきたい」と語り、その未来像についても言及した。 【写真】NBAレーカーズの試合を観戦する大谷翔平と妻の真美子さん ■「一」づくしのシーズン 「今年1年を漢字で表すと?」。年末恒例の質問に、大谷は「久々にその質問きましたね」と笑いながら「一」の一文字を挙げた。「優勝して一番になったこと、移籍一年目ということ。新しいことだらけの中でいい発見が毎日あった。いろんなことを経験できたシーズンだった」。昨年9月に手術した右肘のリハビリのため、打者一本で挑んだ今季は名門ドジャースの1番打者も経験。「一」づくしの大リーグ7年目は充実感に満ちていた。 満足感に浸るつもりはない。野球を始めた幼少期から、「段階が進むにつれて自分の可能性が少しずつ広がって、進めば進むほど『足りない、足りない』という野心が増えていった感覚」があるという。世界一の称号も、3度目の最優秀選手(MVP)獲得も「一つの形でしかない」とし、「現役でいるうちに、技術やフィジカルを自分の中でどれだけ高めていけるか」と探求心は尽きない。 こだわり続ける二刀流についても同じだ。来年3月には、東京ドームでカブスとの開幕シリーズが開催される。ロバーツ監督が「(投手としては)3月のスタートは難しい」との見解を示す中、大谷自身は「なるべく早く復帰することに焦点を当てたいし、開幕が一番早い。自分としては最短を目指していきたい」と意欲を隠さない。 ■右肘寿命「5年以上は伸びてほしい」 ワールドシリーズ中に脱臼した左肩は、11月に修復手術を受けた。肩の可動域を元に戻すリハビリの過程でバットは振れていないが、投手復帰に向けたキャッチボールは再開済み。「再発防止も兼ねて慎重に行かないといけない部分もある」とはやる気持ちを抑えつつ、70マイル(約113キロ)ほどの球速でゆっくりと調整を続けている。 今年7月に30歳になった。野球人として絶頂期を迎える傍ら、「年を重ねていくにつれて、体の違和感や技術、視力の低下が訪れる想定でいないといけない」とも感じている。2度の靱帯(じんたい)再建術(トミー・ジョン手術)を受けた右肘については、「現実的に見れば2回目までが投手としては理想」と語り、もし3度目の手術が必要になった際は投手を断念する可能性もあるという。
「二刀流を今までやってきて、長く続けたいという思いはある」。強い思いを抱きつつ、「希望としては(右肘の寿命は)5年以上は伸びてほしい。どちらかにせざるを得ないタイミングが来たら、対応できる準備をしておく必要がある。チームと相談しながらデザインしていくのが理想」と大谷。現実もしっかり見つめながら、来季も唯一無二の道を切り開いていくつもりだ。(川峯千尋)