カーボンクレジットのブロックチェーン取引プラットフォーム始動:KlimaDAO JAPAN
KlimaDAO JAPAN(クリマDAOジャパン)は、ブロックチェーン技術を活用したカーボンクレジット(排出権)取引プラットフォーム「KlimaDAO JAPAN MARKET」の実証実験を開始すると発表した。 本実証実験では、世界初の試みとして日本の公的カーボンクレジット「J-クレジット」をポリゴン(Polygon)ブロックチェーン上でトークン化する。トークン(Jクレトークン)はERC-20規格で発行され、1トークンが1t-CO2(二酸化炭素1トン)に対応する。 実験はKlimaDAOがグローバルで展開中のスマートコントラクト「Carbonmark API」を基盤技術としており、スマートコントラクトを介したトークン化、リスティング、購入、無効化処理などの一連のプロセスを検証。カーボンクレジット市場が直面する流動性の低さ、取引の不透明性、複雑な手続きなどの課題解決を目指す。 プロジェクトの実務面ではみずほフィナンシャルグループがサポートを担い、オプテージが企業向けウォレットを提供する。Blue Lab、電源開発、ソフトバンクなど11社と長崎県西海市が初期参加者として名を連ねる実証期間は2025年2月末まで。参加企業はJクレジットの販売側および購入側として取引実験を行う。2025年春に、個人も参加可能となる一般公開を予定している。 今年2月、CoinDesk JAPANのインタビューに対してKlimaDAO Japanの濱田翔平代表が「世界中のクレジットを取引できる環境を作ろうとしている」と展望を語ったとおり、将来的にはKlimaDAO JAPAN MARKETを、KlimaDAOのグローバルマーケットプレイス「Carbonmark」と統合、国際的なカーボンクレジットの取り扱いを目指すという。 関連記事:カーボンクレジットのクリマDAO、日本で取引サービスを4月に開始へ──政府運用の「Jクレジット」に対応 なお、KlimaDAO JAPANは、三菱UFJ信託銀行、プログマ、JPYC、オプテージと共同で、ステーブルコイン「JPYC(信託型)」をカーボンクレジット取引の決済に活用するための共同検討を開始しており、実用を目指している。 関連記事:カーボンクレジットの決済にステーブルコイン活用──三菱UFJ信託、プログマ、JPYC、KlimaDAOなどが連携 |文:栃山直樹|画像:リリースから
CoinDesk Japan 編集部