城を囲む森の深く重い泥とアップダウン、担ぎ区間での疲労は最小限におさめたい【シクロクロス2024/25 WC第7戦 ガーフェレ:プレビュー】
すると今年のガーフェレは、やはりマチューの独壇場となってしまうのか。
もちろんガーフェレ城の周囲に引かれたコースは、決して単純ではない。全体的にアップダウンが多いのだけれど、とりわけ森の中の上りセクションは、気が遠くなるほど長い。しかも坂道の路面は落ち葉と森の下土とが混ざり合い、冬の湿り気を吸って、重く、深い。だからこそサドルの上でもがくよりも、バイクを担いで駆け上がるほうを好む選手が多いのかもしれない。ただし、周回を重ねるごとに、確実に肩に感じる重みは増していく。
なにより上りきった先には、同じくらい長い下りが待ち構える。道は細く、うねり、そしてクレイジーなほどスピードが出る。泥の道でハンドルをまっすぐ支え続けるのは不可能で、誰もがフェンスにぶつかりそうになりながら──時には本当にぶつかりながら──、ぎりぎりではらはらなダウンヒルで切り抜けねばならない。
10月から勢力的に欧州遠征を続ける日本の梶鉄輝や、クリスマス前からワールドカップ転戦を始めた岡山優太に続いて、このガーフェレ大会ではいよいよ織田聖も参戦。全日本選手権3連覇の走りを、本場ベルギーでも全開で披露してほしい。
文:宮本あさか
宮本 あさか
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