スポーツカーの代名詞「GT-R」はじつは日産だけのものじゃなかった! 他メーカーにもあった歴代“ジーティーアール”3選
「GTR」は他にも!トヨタやいすゞのモデルも存在した?
2台目は、ST162型「トヨタ セリカ 2000GT-R」です。
スペシャルティクーペとして誕生したセリカは、1985年に登場した4代目ST160系からプラットフォームを「コロナ」「カリーナ」と共用し、セリカ初となるFFとなって生まれ変わりました。 エンジンは1.6リッターから2リッターまでをラインナップし、排気量2リッターで最高出力136馬力(グロス出力160馬力)を発揮する「3S-GE」が搭載されたグレードに「2000GT-R」の名前が付けられています。 発売翌年には、ターボチャージャーを追加して最高出力を185馬力にまで引き上げた「3S-GTE」エンジンと、フルタイム4WDシステムが搭載された「セリカGT-Four」を追加。 世界ラリー選手権(WRC)参戦のためのホモロゲーションモデルとなる「セリカGT-Four」が誕生したのも、ベースとなるセリカ2000GT-Rの存在があってこそと言えるでしょう。 後継として1989年に登場したST180系も、同じく2リッターエンジングレードに「GT-R」の名前がつけられ、エンジンは同じ「3S-GE」で最高出力は165PSにまで引き上げられています。 最後の3台目は、PR91W型「いすゞ ベレットGTR」です。
いすゞの2ドアクーペ「ベレット」の高性能モデルとして、1964年に追加された「ベレットGT」は、日本初となるディスクブレーキや4輪独立懸架サスペンションなどを搭載。そのレーシングモデルとなる「ベレットGTX」は高いコーナリング性能を発揮し、国内ツーリングカーレースを席巻していました。 そして1969年には、さらなる高性能モデルとなる「ベレットGTR」が登場。「ベレットGTR」は、同社の「117クーペ」に搭載されていた1.6リッターG161W型DOHCエンジンを流用し、強化されたサスペンションやリミテッドスリップデフなどの搭載によってさらなる性能向上を果たしています。 同じ年に登場したKPGC10型「日産 スカイライン2000GT-R」のスペックには及ばなかったものの、「ベレットGTR」のエンジンは120馬力の最高出力を発揮し最高速は190km/hに達するなど、当時としては十分に高い性能を発揮していました。 高い性能や美しいスタイリングに加え、競技での活躍もあって「ベレットGT」および「ベレットGTR」は、今でも「ベレG」の呼び名で愛され続けている名車となっています。 ※ ※ ※ 国内外問わず、「GTR」の名前や車種やグレードを特徴づけるための名詞としてよく使われています。 そこに込める思いや、名前の用途はメーカーによってさまざまですが、「GTR」は高性能車だけが名乗れるネームバッジとなっているのは確かなようです。
Peacock Blue K.K.