大好きな地方で挑む初の監督業 俳優で歌手の石丸幹二の今 マルチに活躍する表現者が芸能人生第3幕で目指すもの
「題名のない音楽会」司会から学んだもの
17年からは長寿番組「題名のない音楽会」の司会を務め、爽やかな語りと斬新な切り口で、クラシック音楽だけでなく邦楽や吹奏楽など幅広いジャンルや音楽家の魅力を届けている。「クラシックを過去のものではなく『今』にする。それには、どんどん新しいものに挑み続ける必要があることをこの番組からも学んでいます」
「常に挑戦し変化し続けることが楽しい」
歌に演技に番組制作にと、各ジャンルのトップランナーと仕事をし、追い求める表現の世界はますます広がる。日本の名曲を多彩なアレンジで歌った初のカバー・アルバム「with FRIENDS」(ソニーミュージック・3300円)も完成し、11月に発売した。ジャンルを越えた活動で出会った実力派たちとの「結晶」のような1枚といい、歌番組で共演し意気投合したToshlと歌う「大都会」、世界的なチェリスト宮田大、ギタリスト大萩康司との「心の瞳」、ボーダーレスに活躍するピアニスト角野隼斗との「Tango」など12曲。デビュー35周年を前に、「常に挑戦し、自分が変化し続けることが楽しい。その姿を記録に残したい」と話す。
「記憶に残る」場所に
その視点は松本での挑戦につながる。「地域の文化も、変化する姿を記録に残すことが大切。そしてもう一つ、表現する芸術は形に残るものだけではないので、『記憶に残る』ことが大事ですよね。劇場に来ること自体が記憶に残る。そんなひらかれた所にしたいので、ぜひ応援していただきたいです」