テーパリング開始でも「アメリカ株は堅調を維持」のワケ
現状FRBは月額1200億ドルという巨額の債券購入を行っている(写真:giri/PIXTA)
11月3日のFOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)で、予想通りのテーパリング(量的緩和縮小)開始が決定された。現状FRB(連邦準備銀行)は、月額1200億ドル(約13.7兆円)という巨額の債券購入を行っているが、これを毎月150億ドルずつ減らしていき、状況次第でこのペースには変更の余地があるものの予定通りに行けば来年6月に債券購入がゼロになる計算となる。 株式ブームを支える異例の金融緩和もいよいよ終焉の時を迎えつつあるわけだが、この決定を受けてもなお、アメリカ株式市場は相も変わらず力強い上昇を続けている。もっとも、これはある意味で当然だ。テーパリングは、過度な金融緩和を止めるというだけであって、金融を引き締めるわけではないのである。テーパリングが完了するまでマネーの供給は続き、完了したとしてもすでにジャブジャブに供給されたマネーは、回収されるわけではなく、そのまま市場に残る。 一方、テーパリングの後に予想される利上げは別だ。利上げこそ、金融政策が引き締めに転じることを意味する。したがって、目下の株式市場の焦点は、予想通りだったテーパリングそのものよりも、その後の利上げの見通しが強まるのかどうかという点にある。
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田渕 直也