【2050年のホンダの姿】「ホンダレポート2024」
「ホンダレポート」とは、何か?
ホンダレポートは、ホンダの将来の企業価値向上にむけた中長期的な取り組みに関するレポートだ。「夢の力で人と社会を前に動かすための原動力であり続ける」という、ホンダの目指す姿や提供価値をまとめたものだ。 【写真】ホンダレポート2024 画像はこちら (4枚) ホンダは、このレポートを通じて投資家をはじめとするすべてのステークホルダーにホンダの企業活動への理解を深めてもらうとともに、対話の機会や開示情報の拡充を図り、企業価値のさらなる向上を目指していく。 このレポートは2022年から発行されており、2022年版は86ページだったが2023年版は72ページとなり、今回の2024年版は127ページと、大幅にアップデートされている。では、2024年版は2023年版からどうアップデートされたのか、主な変更点を紹介していこう。
「価値創造ストーリー」と「環境戦略のロードマップ」
まずは、「価値創造ストーリー」のさらなる進化。このレポートでは、ホンダの目指す姿とその実現に向けた取り組みを、価値創造ストーリーとして紹介している。ホンダが目指す姿を実現するための戦略を具体的なアクションとともに紹介することで、ストーリーの実現の具体性をより明確にしている。 2024年版では、事業変革を支える基盤となる人材やデジタルなどの機能戦略に関するパートを新たに設け、人的資本の確保やデジタル領域の進化に向けた取り組みについて拡充して説明している。 また、INPUT(投入リソース)からOUTCOME(目指す姿)までの繋がりをより分かりやすくするため、価値創造ストーリーを説明した概念図である価値創造プロセスをアップデートした。「Dreams:一人ひとりの夢の力を原動力に」を核に、「Create:創造力による実現」→「Transcend/Augment:時間と空間の制約からの解放/ひとのあらゆる可能性の拡張」→「自由な移動の喜びをサステナブルに創造し夢に向かって動き出すひとのパワーになる」というプロセスを、イラストもまじえながら分かりやすい概念図で紹介している。 次に、「環境戦略のロードマップ」も開示した。ホンダでは、2050年にはホンダに関わるすべての製品と企業活動全体を通じたカーボンニュートラルの実現を目指している。この実現に向けた、新たなロードマップを開示した。 これによると、2030年までの中期的な取り組みと、それ以降2050年までの長期的な取り組みに大きく分けられる。 中期的には、気候変動問題やエネルギー問題への対応が優先的な実行施策となる。そのためには、まず電動製品の普及・拡大や製品の環境性能向上などで、製品仕様のCO2排出を削減する。またカーボンニュートラルの実現恒常化の拡大などで、企業活動のCO2排出削減も目指す。 長期的には、資源の効率利用や生物多様性の保全のため、長期的な負荷低減施策を行う。サプライヤーとの連携によるライフサイクルCO2排出の削減に取り組んだり、リソースサーキュレーションなど、ホンダだけでない上流や下流のCO2排出削減も目指す。そして自然への影響を回避するなど、自然との共生、自然に根ざした解決策も実行していくという。