【特集】“24時間断らない病院”は『医師の働き方改革』でどう変わったのか?若手医師の一日に密着することで見えてきた課題も…「日本全体の医療が立ち行かなくなる可能性は、考えておく必要がある」
斉藤医師は現在、専門的な知識やスキルの習得を目指して研修を受ける『専攻医』です。この先『専門医』になるため、患者対応の合間の時間を学会発表に向けて論文を読むなどの、いわゆる“自己研鑽(じこけんさん)”の時間に当てています。
(斉藤医師) 「勉強して身に付けた知識の量が多いことによって、患者さんが…」 -スマホに着信 (斉藤医師) 「おぉ…」 ただ、ひとたび呼び出しがかかると、診察や入院手続きなど、一人につき1時間近く対応することが多いといいます。 -(斉藤医師) -「おつかれさまです、救急当直の斉藤です」 この時、既に午後11時20分…。
呼び出しから、約1時間後―。 (斉藤医師) 「おつかれさまです」 勤務開始から17時間を回り、日付が変わった午前0時30分、ようやく仮眠に入りました。
その、わずか10分後…。 (斉藤医師) 「呼び出しがありましたので、今から救急外来に行ってきます」 結局、この日は呼び出しが計5回。仮眠を取れたのは、1時間程度。朝8時30分には、引き継ぎを行います。
(斉藤医師) 「患者さんを断るようになってしまえば、労働時間の全体量は減ります。でも、病院が“断らない理念”を持って患者さんを受け入れていることで、助かっている患者さんもいらっしゃると思うので、『理念を維持した上で、どうしていくのか』というのが工夫を求められている部分で、そこが本当の意味での『働き方改革』だと思います」
「後ろ指をさされない病院になったかといえば、まだまだ程遠い」以前よりは労働時間減少も、勤務開始から退勤まで約25時間…「医療の利用を考えていただく必要がある時期に差し掛かってきた感じはある」
午前9時、斉藤医師の一日が終わりました。勤務開始から、25時間あまり。かつては、このあと夕方までの勤務が当たり前でしたが、今は午前で退勤するようになり、時間外労働は減少。実際、斉藤医師の先月の残業時間は、80時間以内でした。
医師の宿直については、病院が申請し労基署から許可を得れば、労働時間とみなさない『宿日直許可』という制度があります。例えば、午前9時から翌日の午後5時まで勤務した場合、合計32時間が労働時間にカウントされますが、『宿日直許可』を取っていれば、労働時間は16時間に…。
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