「国民栄誉賞」羽生竜王と井山七冠が会見(全文1)大変名誉ある賞、光栄です
今夕に国民栄誉賞を授与された将棋の羽生善治氏と、囲碁の井山裕太氏が、式典後の午後6時半から共同会見を行った。 羽生氏は昨年12月に7度目の竜王位を獲得。「永世」規定がある7つのタイトルすべての永世・名誉称号を得て、永世七冠を達成した。また、井山氏は去年10月に名人戦で勝利し名人位を獲得。囲碁で初めて2度めの七冠独占を果たしている。
受賞の気持ち
司会:皆さまお待たせいたしました。ただ今より羽生善治竜王、井山裕太七冠、国民栄誉賞受賞記者会見を行います。まず初めに囲碁将棋記者会を代表いたしまして、共同通信社さまよりご質問をお願いいたします。 共同通信:記者会の幹事をしております、共同通信の池松です。羽生さん、井山さん、このたびはおめでとうございます。早速ですが、私のほうからお2人に同じ質問をさせていただきます。羽生さん、井山さんの順でお答えください。それでは先ほど官邸で授与式が行われました。あらためまして受賞のお気持ちをお聞かせください。 羽生:本日、賞状、盾、記念品をいただいて、あらためて大変名誉ある、栄誉ある賞をいただいたんだなということを実感しております。これを大きな励みとして、引き続き棋士として前向きに進んでいかなくてはいけないなという決意を新たにしました。 井山:本日、国民栄誉賞授与させていただきましたけれども、本当に自分にとっては身に余る光栄で、いまだに実感という意味ではまだちょっと湧かない部分もあるんですけれども、棋士としてまだまだこれからですので、この受賞を、今後に非常に期待していただいているというふうに解釈しているんですけれども、少しでも成長していけるように、棋士としても、1人の人間としても努力していかなければいけないなというところです。
将棋囲碁界では初めての受賞ということについて
共同通信:今回、将棋囲碁界では初めての受賞となったんですか、そこについてはどのようにお考えでしょうか。 羽生:将棋の世界、囲碁の世界も同様に長い歴史と伝統を有している。その背景も含めて評価をしていただけたのではないかなというふうに思っています。そういった意味でも、個人のということではなくて、1つの世界としての大きな形をいただいたというふうに認識しています。 井山:羽生先生と重なる部分も多いですけれども、囲碁界も将棋界も本当に長い歴史があって、今までこの世界を支えてきてくださった方々、そしていろいろな方々にとっても私たち、今、現役の棋士にとっても本当に光栄なことだというふうに思っております。