仮設住宅の展示棟で「同窓会」、東日本大震災後に避難生活送った住民が再会…岩手県住田町
東日本大震災後、岩手県住田町の仮設住宅団地で避難生活を送った住民らの「同窓会」が24日、初めて同町のコミュニティー施設「イコウェルすみた」で開かれた。約20人が再会を喜び、思い出話に花を咲かせた。
同町では震災から2か月後、93戸の木造仮設住宅が完成し、2020年に全入居者が退居するまで沿岸部の被災者を受け入れた。昨年5月には仮設の部材を再利用して造られたイコウェルすみたが跡地に開設され、当時の暮らしを伝えている。
同窓会は、仮設団地でコミュニティー活動を支援した同町の一般社団法人「邑(ゆう)サポート」が企画。参加者は仮設住宅を再現した「展示棟」を見学し、「家に帰ってきたみたい」「長かったね」などと感慨深げに語り合った。
震災当時に町長だった多田欣一さん(79)は「困っている人を助けるのは当たり前。沿岸部で起きていることに無関心ではいられなかった」と回顧。約7年にわたって仮設で暮らした大船渡市の女性(81)は「旅行などの様々な交流活動があったおかげで、隣近所の人たちと仲良くなれた。いつか住田に恩返ししないとね」と笑顔を見せていた。