<古川慎×福井晴敏>「ヤマトよ永遠に REBEL3199」インタビュー(2) 憂いを秘めた古川慎の魅力
インタビュー(1)の続き。人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第二章「赤日の出撃」が11月22日から上映される。「3199」は、1980年に公開された劇場版第3作「ヤマトよ永遠に」を原作に新解釈を加え、再構成する。「3199」で、地球を占領・支配したデザリアム軍の情報将校で物語を“鍵を握る男”アルフォンを演じるのが人気声優の古川慎さんだ。アルフォンは「永遠に」にも登場した人気キャラクターだが、「3199」ではどうやら少し様子が違うようだ……。第二章の上映を前に、「3199」の総監督を務め、シリーズ構成、脚本も担当する福井晴敏さん、古川さんに、アルフォン、収録の裏側について聞いた。 【写真特集】ついにヤマト発進! 第2章はどうなる?? 古川慎演じるアルフォンも ビジュアル一挙公開
◇生々しい福井晴敏の脚本
ーー福井さんの脚本の魅力をどのように感じている?
古川さん 人間の感情や言葉をどこまでも深掘りしていて、生々しいなと。人間関係、騙し合い、ブラフがすごくて、しっかり見せているものがありつつ、一方その頃……と薄く見せていたものが後々膨らんでくることもあり、圧倒されます。それが思いもよらぬタイミングで出てきたり、大事な局面で一気に爆発したり、カタルシスを予感させる引きもある。本当に面白いんです。
ーー緻密な計算がある?
福井さん 本能的にやっていることで、それほど計算はしていないのですが。生っぽさは大事にしています。
ーー収録中に福井さんの説明があって、分かってくることもある?
古川さん そうですね。言い方が難しいのですが、いろいろな遊び方ができるんです。振り幅があるし、説明を受けて、それなら次はこうアプローチしてみよう!と考えることも楽しいですね。
福井さん 今回のアルフォンは、野沢那智さんのアルフォンの圧倒感というよりは、一段降りて、近づいている感じがある。人間的な生々しさを削いだのがアルフォンだったけど、グッと迫った時に急に吐息が吹き掛かり、人間なんだと分かって、ぞわっとするのが「永遠に」のアルフォンだったけど、「3199」では息をしている感じが最初からします。第一章のラストで、雪に触ってびっくりするシーンがありますが、今回のアルフォンはこれだ!と象徴的なシーンになっています。