コーセー、タイのPURI社を子会社化

コーセーは12月10日、ホリスティックウェルネスをブランドコンセプトに化粧品、フレグランスの販売などを手がけるタイのPURI CO.,LTD.（ピューリ）の株式を取得し、子会社すると発表した。グローバルサウス市場での存在感を高め、グローバル戦略の加速を目指す。 【画像】PURI社が展開する商品イメージなど コーセーはこのほど、タイを中心にホリスティックウェルネスブランド「PAÑPURI（パンピューリ）」を展開するPURI CO.,LTD.の株式の取得について、両者間で株式譲渡契約を締結した。 コーセーは現在、中長期ビジョン「Vision for Lifelong Beauty Partner―Milestone2030」の中期戦略の中で、「脱・自前」による地域に最適化されたグローバルでの事業成長として、「地域に根付いたブランドの新たな獲得」を掲げている。自社のリソースに固執することなく、外部パートナーとの連携や外部アセットの活用を進めることで、ブランドポートフォリオを拡充させて多様なニーズに対応し、グローバルでの事業成長の加速を図る。 PURI社が展開する「PAÑPURI」は、古代アユタヤ王国から記録されているハーブやエッセンシャルオイルなどの植物を使用し、香りによって五感を育み、体・心・魂の調和を重要視したブランドとして2003年に誕生。古代より伝わる伝統的なウェルネスアプローチが現代にも息づく、タイを代表するラグジュアリーなホリスティックウェルネスブランドだ。 「真のホリスティックウェルネスとは、内面の健康と外面の美しさの調和である」という信念のもと、2300種類以上の疑わしい成分を排除した“Zerolist”と呼ぶ独自の成分選択基準とサステナビリティに基づき、クリーンで効果を実感できる処方を採用。クラフトマンシップと現代的な技術の融合で創り上げられた「フレグランス」「バス＆ボディ」「スキンケア」「ホームフレグランス」のラインナップで、なかでもフレグランスは東洋の伝統とタイの伝統からインスパイアされたニッチで絶妙な香りを提供している。 伝統と革新が融合する洗練された商品と、ブランドの世界観を体感できる店舗づくり、ホテルでのスパサービスなどの顧客体験を重視し、タイ国内のラグジュアリーなショッピングモール、百貨店、ホテル、リゾート、トラベルリテールなどで店舗展開しているほか、2024年8月には香港にも進出。またECサイトや代理店を通じ、日本をはじめ中国、欧州でも販売している。 コーセーは、PURI社は、近年「PAÑPURI」の商品改良や店舗開発、展開戦略など大きなブランド改革を行ったことにより急成長し、現在ではタイ国内において確固たる地位を築いるとし、今回の株式取得によりPURI社のさらなる成長に寄与するとともに、自社の事業ポートフォリオを拡充し、新たな顧客との接点拡大と価値提供を推進を目指す。これによりグローバルサウスにおける自社グループの存在感を高め、企業価値向上につなげていく考えを示した。 今回の取り組みについて、コーセー 代表取締役社長 小林一俊氏は、「このたび、タイのホリスティックウェルネスブランドとして確固たる地位を築いているPURI社の株式を取得し、当社グループに『PAÑPURI』を迎え入れることができることを大変嬉しく思っています。タイに古代から伝わる伝統的なアプローチと、香りへのこだわり、化粧品としての効果感はもちろん、使い心地の良さと心まで豊かにするような『PAÑPURI』の洗練された商品設計は、まさに当社が創業以来、伝統と革新を継承しながら官能品質を追求し続けている姿勢と高い親和性を感じています。今回の株式取得を機に、当社が中長期ビジョンに掲げるグローバル戦略を加速させ、グローバルサウス市場での存在感の確立と、当社のさらなる価値向上を目指して参ります」と述べた。 PURI社CEO Vorravit Siripark氏は、「コーセーとのパートナーシップは、『PAÑPURI』にとって大きな変革の節目となります。グローバルに通用するコーセーの革新的な技術、専門知識、リソースを活用することで、伝統の英知とクリーンで持続可能な実践に根ざした、タイのホリスティックなウェルネスと美容のビジョンをさらに高めていきたいと思います。私たちは共に、タイのクラフトマンシップ、マインドフルネス、卓越した感覚を融合させた『PAÑPURI』のウェルネスへのユニークなアプローチを、より多くの世界中の人々にお届けしていきます。このコラボレーションにより、私たちは伝統を守りつつ、成長、革新、そして有意義な美容体験の創造への情熱を共有し、新たな未来を切り開いて参ります」とコメントした。