大学生の時の友人が「会社の手取りが時給換算で学生時代のバイトとそこまで変わらない」と嘆いていました。実際の所、どれだけの「給料」があれば「アルバイト」より稼げることになるのでしょうか?
大学生の頃のアルバイト経験は、働く上での基盤を築く重要な時期です。しかし、卒業後に就職しても思ったよりも手取りが増えず、学生時代のアルバイトと大きな差がないと感じる人も少なくありません。では、実際にどれだけの給料を得れば、アルバイトと比較して収入を増やせることになるのでしょうか。 本記事では、企業での手取り給料を時給換算してアルバイトの時給と比較し、どの程度の給与水準が求められるのかを考察していきます。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
大学生アルバイトの時給
株式会社マイナビが2024年2月に行ったに「大学生のアルバイトに関する調査」の結果によれば、大学生のアルバイトにおける平均勤務時間は1日あたり4.8時間で、週の平均勤務日数は3日、月の手取りはおよそ5万9900円となっています。この数値を基に大学生のアルバイト時給を計算してみましょう。 1週間の平均勤務時間:4.8時間×3.0日=14.4時間 1ヶ月(約4.3週間)の平均勤務時間:14.4時間×4.3週間=61.92時間 平均的な月の手取りと勤務時間から出す時給:5万9900円÷61.92時間=967円 従って、大学生のアルバイトの平均時給は約967円となります。
正社員の平均月給
厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、正社員の平均月給は表1の通りです。 表1
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作 この賃金データから、正社員の平均月給が年齢とともに徐々に上昇している傾向が見られます。 ■月給22万正社員の平均時給は 月給が22万円、労働時間が1日8時間、年間労働日数が250日で計算を進めます。月の平均所定労働時間を求めるには、以下の計算を行います。 (22万円×12カ月)÷(8時間×250日)=1320円/時間 この計算結果より、月給22万円は時給に換算すると1320円となり、大学生アルバイトの推定平均時給の約967円をはるかに上回っています。 ■月給が18万円の場合には大学時代のアルバイト時給と変わらない 2023年度の大学生アルバイトの平均時給が約967円と推定されることを踏まえ、次の条件で月給を時給換算してみます。 月給18万円、1日8時間労働、年間250日勤務、残業なしと仮定すると (18万円×12カ月)÷(8時間×250日)=1080円/時間 月給18万円の場合、時給換算すると約1080円となり、これは大学生時代のアルバイト時給と100円ほどの差となり、大きな差がないことが分かります。