「政治家拘禁」予定だったB1バンカー、携帯電話も遮断「核爆弾にも耐えうる」=韓国
外部からアクセスできず、500人収容可能で地下道路まで
「12・3内乱事態」の際、ヨ・インヒョン国軍防諜司令官が、逮捕した国会議員を首都防衛司令部(首防司)のB1バンカー(文書庫)に拘禁できる施設があるかを確認するよう指示したという防諜司令部(防諜司)幹部の証言が出た。これに続き、野党「共に民主党」のキム・ビョンジュ最高委員は11日、防諜司の逮捕組が同バンカーに戒厳令違反者数百から数千人を監禁する計画を立てていたと主張した。 ソウルと京畿道果川市(クァチョンシ)の境界となる南泰嶺(ナムテリョン)にある首防司の「B1バンカー」は韓国軍の戦争指揮施設。戦時になると、大統領や長官などの政府要人と軍指揮部がここに集まって戦争を指揮する。戦時には政府要人、軍指揮部、支援スタッフなどが長期滞在しなければならないため、大統領、長官、陸海空軍参謀総長別に会議室があるという。500人以上収容でき、内部は車が通れるほど広いという。非常時に備え、数カ月分の食料も備蓄されている。 陸軍大将出身のキム最高委員は、同日の民主党非常最高委員会で、「この地下文書庫は途方もない規模」で「核爆弾が落ちても耐えうるため、国家戦争指導部として使われる」と述べた。また「(政治家拘禁のために)施設の一部だけを活用すると思っていたが、最初からB1文書庫(の全体使用を)検討し、防諜司が内部偵察までしたという」とし、「逮捕組は防諜司捜査官39人で構成されたという。善良な市民と野党代表をはじめ、(「逮捕リスト」の該当者を)反国家勢力に仕立てて、そこに監禁しようとした」と述べた。 ヨ・インヒョン防諜司令官がB1バンカーを拘禁施設として検討したのは、ソウル(国会)との距離、空間収容能力、軍に対する指揮通信施設の有無、警戒の容易性などを考慮したものとみられる。何よりも、このバンカーに政治家を閉じ込めると、セキュリティを維持しやすい。拘置所や既存の軍部隊、軍事警察の拘禁施設は位置が知られているが、B1バンカーは首防司の敷地内にあり、外部からのアクセス自体が不可能なためだ。また、B1バンカーは爆撃にも耐えられるように頑丈に建てられており、電磁波(EMP)攻撃に備えた防護設備も備え、携帯電話の通話も遮断できる。 軍内部では、戦時に備えた重要施設である「B1バンカー」に内乱に反対する政治家を閉じ込めるというヨ司令官の発想は、荒唐無稽で驚くべきものという反応が出ている。 韓国軍のバンカーはB1だけでなく、国防部(報道参謀本部)、忠清南道の鶏龍台(ケリョンデ、陸軍本部)にもあり、京畿道城南市(ソンナムシ)の清渓山(チョンゲサン)には、韓米連合軍司令部の戦時指揮所である「タンゴ」バンカーがある。 クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )