おみくじで凶が出た!どうする?意外と知らないお守り&おみくじのトリセツ【年末から年始のマナー】
初詣の楽しみのひとつが、わくわくしながら引くおみくじや、カラフルなお守りです。では、おみくじで良くない結果が出たとき、どうしていますか? 手に入れたお守りはふだんどこに置いているでしょうか? 「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に、おみくじやお守りの取り扱い方について詳しく教えてもらいました。 【イラストで確認】拝殿前での正しい参拝方法は? ■良くない結果だったときはその場に結んで帰る まず、神様や仏様に挨拶もしていないのにおみくじを引き、縁を結ぼうとするのは失礼にあたります。 寺社仏閣でおみくじを引く際は、必ず本堂に参拝してからにしましょう。 注意したいのは「良くない結果が出たからもう一回」はNGだということです。 1日に1回以上引くのは避け、どうしても引き直したいのなら少し期間を空けてください。 おみくじは、初詣だけでなく、お参りをしたときはいつでも引いて良いものなのです。 おみくじは神様から頂いたありがたいお言葉であり、運勢は一般的に以下のような12段階になっています。 大吉>中吉>小吉>吉>半吉>末吉>末小吉>凶>小凶>半凶>末凶>大凶 ただし、神社やお寺によっては順番が異なる場合があるので、おみくじを引いた場所で確認するのがおすすめです。 「良い結果だった場合は財布などに入れて持ち歩き、良くない結果だった場合はその場に結んで帰るのがいいと思います。おみくじを境内の木々に結びつけると、木の生命力にあやかることができ、神様の力で厄を払ってもらえます。結ぶときはしっかりと願いを込めましょう」(岩下先生) ただし、近年は木が傷むのを防ぐため、専用のおみくじ掛けを設置している寺社も増えています。 その場合は、必ず寺社のルールに従ってください。 ■お守りは複数の神社仏閣で受けてもOK お守りやお札は、お寺や神社から贈られるものとして考えられているため、「買う」ではなく「受ける」と言います。 お守りやお札には神様が宿っていますので、ご利益をいただきたいと願うなら、丁寧に扱うことを忘れないようにしてください。 また、お守りやお札を受ける際も、まずは本堂に参拝してからにしましょう。 お守りはいろいろな種類を一度に受けてもいいし、複数の神社仏閣で受けてもかまいません。 徳の高い神様同士が喧嘩して、利益を相殺するようなことはないので安心してください。 お守りは常に身につけるべきものなので、持ち歩くのが正解です。 それが難しい場合は、引き出しなどにしまい込まず、目につく明るい場所で、なるべく高い位置に置くのがいいでしょう。 「お札もお守りと同じく、神様のご加護を受けるという意味がありますが、家に祀るものとして家全体を守る役割があります。お札は神棚に飾るのが最も良いのですが、ない場合は南または東向きになるようにして、目線より高いところに置きます。また、お札をお迎えしたら、毎日新しいお水をお供えしましょう。日々のお供えをしないのは神様に失礼にあたるので、難しい場合は購入しないほうが無難かもしれません」(岩下先生) 邪気を払う破魔矢なら、南または東向きに飾るだけで良いので、忙しい方にもおすすめです。 年が変わったら、お守りやお札、おみくじは、神社に返納し、お焚き上げ行事で燃やすのが良いとされています。 受けた神社が遠い場合は、近くにある別の神社に返納してもかまいません。 どうしてもゴミ箱に捨てなければいけないときは、白い紙に包み「ありがとうございました」と唱えて捨てるなど、感謝の気持ちを込めて丁寧に扱いましょう。 *** おみくじの結果は受け止め方次第です。大凶が出ても「ここが運勢の底なんだから、あとは上がるだけ」と思えば、プラスに捉えることができますよ! 教えてくれたのは… ▶岩下宣子先生 「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。 文=高梨奈々