「クレクレ星人」はあなたの近くにも……他人の時間、やる気、可能性を無意識に奪う人たち
自分自身を満たすために、他人の時間・やる気・可能性を奪う人たちは職場などのコミュニティーに必ずいます。彼らは自己中心的で、相手に与える影響を考えません。あなたの身近に潜む「クレクレ星人」の特徴と、効果的な対処法を考えてみましょう。 【グラフ】約8割が部下への不満を抱えている
◆「時間を奪う」クレクレ星人
愚痴ばかりこぼす部下、「でも」や「だって」ばかりで相談に乗っても課題解決のための行動はしない同僚、飲み会でニ次会・三次会まで連れ回す上司……。かなりの時間を奪われていませんか? いずれも自分の欲求を満たすために、相手に時間を浪費させている状態です。そんな場合の解決策は「気持ちを汲(く)む」姿勢で対応しましょう。 「同意」ではなく「あなたはそう思うのですね」「そう感じたのですね」「大変でしたね」と相手の「気持ちを汲む」のです。同意の場合は、相手の感情の渦に飲み込まれる恐れがありますから、あくまでも相手がどうだったかという視点で関わりましょう。 また思いつくごとに何度も質問してくる人は、相手の時間を奪っていることに無自覚です。こうした場合は「事前に伝えておく」ことをおすすめします。 ・「○時~○時までの間ならOK」「○時頃は忙しくて相談にのれない」 ・「質問事項をまとめて、何に関して何個の質問があり、ゴールはどこにあるかを最初に教えてほしい」 といった感じです。時間を奪うクレクレ星人に対しては、目的を意識した効率的なコミュニケーションを意識しましょう。
◆「やる気を奪う」クレクレ星人
会議で案を出すよう指示されたのに、それに応えてさまざまなアイデアを提案すると、手あたり次第ダメ出しする上司や同僚、仲間はいませんか? 「それは無理ですね。だいたい○○ですからね」 「それはあり得ないだろう。だって、今までこうしてきたではないか」 「もっと熟慮してから発言できないのか。常識的には○○だろう」 こうした、あなたの出鼻をくじくような発言が飛び出したら警戒しましょう。 マイルールが強い人は、相手のやる気を奪うクレクレ星人かもしれません。相手に自分の価値観を押し付け、新たな思考を取り入れようとしないなら要注意。 こういう人は「自分の方が仕事ができる」という自負があり、だからこそ自分自身の経験値や価値観のみで判断しがちです。さらに意見するたびに否定するため、あえて控えめな対応をしていると、今度は「消極的だ!」などと言ったりします。 これはダブルバインド(二重拘束)といい、2つの矛盾した要求や情報を与え、どちらを選択しても相手に罪悪感や不安感などの心理的ストレスを与えます。しかも無意識に……。 やる気を奪うクレクレ星人への対処法は、相手の言葉をそのまま引用して、矛盾をやんわりと伝えながら、自分の意見を通す道を開きましょう。 「確認してよろしいでしょうか? A案をお伝えした時、『無理だね』とおっしゃいました。B案の時は『あり得ないだろう』、C案の時は『そもそも~』とおっしゃいました。『もっと熟慮してから』とおっしゃったので、次の案を考えていたところ『消極的だ!』をおっしゃいました。 私はどんどん新たな案をお伝えしていったらいいのか、それとも熟慮してから発言したらいいのか、わからなくなってしまいました。改めてご教示いただいてもよろしいでしょうか?」 このように相手の発言した言葉で伝えていくと、矛盾に気づくはずです。 「自分の発言や行動、態度、信念に一貫性を持ちたい」と、人は無意識に思っています(一貫性の原理)。自分の言葉は、何より説得力があるので、本人が言った言葉に説得してもらいましょう。 また、誰よりも承認欲求が強い人でもありますので、「○○を実現させたほどの人ですから、このお話もご理解いただけると思います」などと伝えることもおすすめです。 功績を称えながら『それだけの人が理解できないはずがない』ということを伝えれば承認欲求も満たされるので、今度は相手の希望も叶えてあげようという気持ちになってもらえるのです。