残留を懸けたサバイバルマッチ!11位対9位のシックスポインター! 市立船橋高校×尚志高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグ EAST 第19節】
左利きということもあり、右サイドハーフの位置からのカットインは絶対的な武器。シーズンが進むにつれて、フィニッシュへの思い切りも増しており、上手い選手から怖い選手へと進化していることに疑いの余地はない。市立船橋には中学時代に所属していた鹿島アントラーズつくばジュニアユースでチームメイトだった伊丹俊元と加藤悠人がいるだけに、“旧友”の前での躍動に気合を募らせているはずだ。
3つ目のポイントは『悩めるストライカー、爆発を期す!』。市立船橋のストライカーポジションに就くのは、昨年度の高校選手権でも優秀選手に選出された久保原心優。今年は郡司璃来から10番を受け継ぎ、さらなる飛躍が期待されたが、前半戦はまさかのノーゴール。本人も「『本当に入らないんだな』というシーンが多くありました」と振り返ったように、決定機は迎えながらも不思議と得点だけが生まれない。
だが、第14節の大宮アルディージャU18戦で、90+2分に劇的な決勝弾を叩き出し、今季のリーグ戦初ゴールを記すと、そこからの5試合で5ゴールを量産。その間はチームも3勝2分けと勝点を着実に積み重ねてきた。遅れてきたエースの覚醒はそのまま結果に直結し、市立船橋は完全に息を吹き返している。今節も久保原のゴール前での一挙手一投足から目が離せない。
尚志の9番を託されているストライカーは矢崎レイスだ。圧倒的なフィジカルの強さと得点感覚を携え、満を持してプレミアのステージへ登場するも、待望の初ゴールが生まれたのは第14節の昌平戦。高橋響希のフィードに反応して先制ゴールを沈めたものの、その後にチームは2失点を喫して痛恨の逆転負け。ようやく手にした自身の結果も、勝利という形には結び付かなかった。
それこそ第14節での“初ゴール”は久保原とまったく同じタイミングだったが、その後に描いた軌跡は、今のところ明暗が分かれている。彼らはU-17日本高校選抜でも共闘しているだけに、矢崎も負けてばかりはいられない。プレミア残留に向けてもこの人の復調は絶対条件。今節で“2点目”を奪えるか否かは、尚志の浮沈を大きく左右する。
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