残留を懸けたサバイバルマッチ!11位対9位のシックスポインター! 市立船橋高校×尚志高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグ EAST 第19節】
前節の流通経済大柏戦では、少なく見積もっても3度のファインセーブを繰り出し、3バックの中央に入った双子の兄のギマラエス・ガブリエルとともに堅陣を築いて、完封勝利に大きく貢献している。尚志を倒して連勝を3に伸ばすためには、この人の安定したパフォーマンスが必要不可欠だ。
尚志の背番号1は野田馨が付けている。ここまでチームでただ1人フル出場を続けてきた中で、20失点はリーグ全体で見ても青森山田高校に次ぐ2番目の少なさ。1試合平均失点も1.11と素晴らしい数字をマークしており、果敢なシュートストップと抜群の反応速度をどの試合でも遺憾なく発揮している。
第14節の昌平高校戦では1-2で敗れたにもかかわらず、試合後には相手チームの選手から「尚志のキーパー、ヤバかったな」という声が上がるほどの存在感を披露していたのも印象深い。昨シーズンはプリンスリーグ東北を主戦場に戦っていたため、プレミアデビューとなった2024年は間違いなく飛躍の年。野田の成長がグループにもたらしているエネルギーは語り落とせない。
2つ目のポイントには『市船の左!尚志の右!サイドの主導権争い』を挙げたい。『市船の左』を代表するのは、新チームの立ち上げ時にはCチームからスタートしたという渡部翔太だ。プレミアでも開幕時は登録外だったが、インターハイ予選からAチームの左サイドバックに抜擢されると、以降はスタメンに定着。インターハイ3回戦では今節の対戦相手でもある尚志から決勝ゴールを奪い、8強進出の立役者になった。
最大の魅力は正確な左足のキック精度。最近はプレースキッカーとして両サイドのCKに加えて、FKも任されており、流通経済大柏戦でもセットプレーから決定機を演出していた。ちなみに渡部とエースの久保原は、前所属のA.CアスミJrユースFCからのチームメイト。6年間を共有してきた彼らの、息の合ったホットラインにも是非注目したい。
『尚志の右』は大内完介をフィーチャーする。前半戦はなかなか思うような結果を残せず、スタメンを外れることもあったが、第10節の柏レイソルU-18戦でプレミア初ゴールを記録すると、後半戦初戦の流通経済大柏戦では圧巻のハットトリックを達成。9試合で7ゴールを積み上げ、一気に尚志のトップスコアラーへ躍り出た。
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