全国高校サッカー、東福岡が静岡学園破り4強…県大会初戦から無失点「赤い要塞」PK戦で勝利呼び込む
第103回全国高校サッカー選手権大会(読売新聞社など後援)は4日、準々決勝が行われ、初出場の東海大相模(神奈川)が明秀日立(茨城)に逆転勝ちし、4強入りを果たした。東福岡(福岡)は静岡学園(静岡)をPK戦の末に破り、優勝した2015年度大会以来の準決勝進出。流通経大柏(千葉)は上田西(長野)を圧倒し、前橋育英(群馬)は2大会連続4強入りを狙った堀越(東京A)を下した。国立競技場で行われる11日の準決勝は、東福岡―前橋育英、流通経大柏―東海大相模の顔合わせとなった。 【スコア】準々決勝の結果
「赤い要塞」が静岡学園の猛攻をはね返した。「ビッグチャンスを作られても(DF)山禄と大坪が待ち構えてくれていてよかった」。東福岡の平岡監督がこう振り返ったように、堅い守りで失点を防ぎ、PK戦の末に勝利を呼びよせた。
J1川崎への入団が内定している静岡学園のDF野田を中心にサイドから攻め込まれたが、山禄は「自分たちは相手より走ることや体を張るところの部分で負けてないと思っていた」という。集中力を切らさずにクロスやシュートに対応した。
守備に徹した結果、80分でシュートはわずか1本と得点機はなかなか作れなかった。それでもOBである平岡監督にとっては、選手として1995年度大会の準決勝でPK戦で敗れた相手に、監督として同じくPK戦で雪辱を果たす価値ある1勝となった。
チームは県大会の初戦から全国大会準々決勝まで、計7試合を無失点で勝ち上がってきた。決勝進出をかけた次なる相手は、得点力に定評のある前橋育英だ。「相手の強みを完全に潰し、自分たちのサッカーを貫いて無失点で勝ちたい」と意気込む山禄。鉄壁は戦いを重ねるごとに磨きがかかっている。(平島さおり)